双極性障害患者における摂食障害の有病率

提供元:ケアネット

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公開日:2024/02/12

 

 摂食障害と双極性障害は症状が類似しており、摂食行動や感情制御に根付いた特定の類似点が認められる。摂食障害と双極性障害の併存に関する研究は増えているものの、両疾患の同時進行に関する科学的データは十分に体系化されていない。ロシア・V.M. Bekhterev National Medical Research Center for Psychiatry and NeurologyのYana V. Yakovleva氏らは、双極I型およびII型障害患者におけるさまざまなタイプの摂食障害の有病率について、性別および両疾患の同時進行の臨床的特徴を考慮したうえで、スコーピングレビューを実施した。Consortium Psychiatricum誌2023年7月10日号の報告。

 スコーピングレビューのためのPRISMAガイドラインに従い分析を行った。研究の検索にはMEDLINEデータベースを用いた。双極性障害および摂食障害と診断された患者に焦点を当てた研究を分析に含めた。摂食障害および双極性障害の診断の検証には、DSM-IV、DSM-5またはICD-10を用いた。レビュー結果の要約には、記述的分析法を用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・レビューには、41件の研究を含めた。
・双極性障害患者における摂食障害の生涯有病率は2.2~31.1%、摂食障害患者における双極性障害の有病率は11.3~68.1%であった。
・双極II型障害および女性において、摂食障害の有病率が高かった。
・双極性障害患者における摂食障害の併存は、気分障害の早期発症、抑うつエピソードの増加、自殺企図、強迫症および不安症、依存症、各種代謝障害の併存率の増加と関連が認められた。

 著者らは、「研究結果により違いがあるものの、摂食障害と双極性障害の併存率は非常に高いことが示唆された。双極性障害患者における摂食障害のスクリーニングまたはその逆のスクリーニングは、正確な診断や最も効果的な治療法を選択するうえで重要である」とし、「性別に応じた、さまざまな摂食障害と双極性障害との併存パターンについては、今後さらなる研究が必要である」とまとめている。

(鷹野 敦夫)