枕が高いと脳卒中に?/国立循環器病研究センター

提供元:ケアネット

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公開日:2024/02/05

 

 脳卒中は高齢者で多いが、若年~中年者でも特殊な原因で起こることがある。その原因の1つである特発性椎骨動脈解離の発症と枕の高さの関連を、国立循環器病研究センターの江頭 柊平氏らが症例対照研究で検討したところ、枕が高いほど特発性椎骨動脈解離の発症割合が高く、また枕が硬いほど関連が顕著であることが示された。著者らは「殿様枕症候群(Shogun pillow syndrome)」という新たな疾患概念を提唱している。European Stroke Journal誌オンライン版2024年1月29日号に掲載。

 国立循環器病研究センターにおいて2018~23年に特発性椎骨動脈解離と診断された症例群と、同時期に入院した年齢と性別をマッチさせた脳動脈解離以外の対照群を設定し、発症時に使用していた枕の高さを調べた。枕の高さが12cm以上を高値、15cm以上を極端な高値とした。単変量ロジスティック回帰により、特発性椎骨動脈解離発症における高い枕の使用のオッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を算定した。さらに、高い枕(12cm以上)を使用し起床時に発症した先行受傷機転のない患者を「高い枕の使用に起因する特発性椎骨動脈解離患者」と定義し、その割合を調べた。

 主な結果は以下のとおり。

・症例群53例と対照群53例(女性:42%、年齢中央値:49歳)を同定した。
・高い枕の使用は症例群が対照群より多く、12cm以上の枕では34% vs.15%(OR:2.89、95%CI:1.13~7.43)、15cm以上の枕では17% vs.1.9%(OR:10.6、95%CI:1.30~87.3)で、高い枕の使用と特発性椎骨動脈解離の発症に関連が認められた。
・この関連は枕が硬いほど顕著で、柔らかい枕では緩和された。
・高い枕の使用に起因する特発性椎骨動脈解離患者は、12cm以上の枕で11.3%(95%CI:2.7~19.8)、15cm以上の枕で9.4%(95%CI:1.5~17.3)にみられた。

 本研究から、高い枕の使用は特発性椎骨動脈解離発症と関連があり、特発性椎骨動脈解離の約10%が高い枕の使用に起因しうることが示された。著者らは「これらの患者は、殿様枕症候群という異なる疾患のスペクトルを表すかもしれない」としている。

(ケアネット 金沢 浩子)