EGFR exon20挿入変異にamivantamab+化学療法(PAPILLON)/ESMO2023

提供元:ケアネット

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公開日:2023/11/01

 

 EGFR exon20挿入変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)に対する、EGFR・MET二重特異性抗体amivantamabと化学療法の併用を評価する国際無作為化比較第III相試験PAPILLONの結果を、フランス・キューリー研究所のNicolas Girard氏が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2023)で発表した。

 未治療のEGFR exon20挿入変異陽性のNSCLCの治療成績は芳しくなく、全生存期間(OS)中央値は16〜24ヵ月である。同バリアントは、従来のEGFR-TKIに対する感受性がなく、免疫チェックポイント阻害薬もベネフィットを示せていない。

・対象:未治療のEGFR exon20挿入変異陽性NSCLC
・試験群:amivantamab+化学療法(amivantamab群、153例)
・対照群:化学療法(化学療法群、155例)
・評価項目:
[主要評価項目]盲検下独立中央判定(BICR)評価の無増悪生存期間(PFS)
[副次評価項目]奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)、OS、PFS2、安全性など

 主な結果は以下のとおり。

・追跡期間中央値は14.9ヵ月であった。
・BICR評価のPFS中央値はamivantamab群11.4ヵ月、化学療法群6.7ヵ月で、amivantamab群で有意に延長した(ハザード比[HR]:0.395、95%信頼区間[CI]:0.30~0.53、p<0.0001)。12ヵ月PFSはそれぞれ48%と13%、18ヵ月PFSはそれぞれ31%と3%であった。
・すべてのPFSサブグループにおいて、amivantamab群が良好であった。
・BICR評価のORRはamivantamab群73%、化学療法群47%であった(オッズ比[OR]:3.0、95%CI:1.8〜4.8、p<0.0001)。
・DOR中央値はamivantamab群9.7ヵ月、化学療法群4.4ヵ月であった。
・PFS2中央値はamivantamab群未到達、化学療法群17.2ヵ月で、amivantamab群で有意に延長した(HR:0.493、95%CI:0.32〜0.76、p=0.001)。
・OS中央値は未到達であった(HR:0.675、95%CI:0.42〜1.09、p=0.106)。
・OS中央値はamivantamab群未到達、化学療法群24.4ヵ月であった(HR:0.675、95%CI:0.42〜1.09、p=0.106)。

 Girard氏は、この試験の結果から、EGFR exon20挿入変異NSCLCに対するamivantamab+化学療法の1次治療は新たな標準治療であることを示した、と述べた。

(ケアネット 細田 雅之)

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