患者が油断しがちな健診結果の項目とは

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2023/10/30

 

 日本ベーリンガーインゲルハイムと日本イーライリリーは、各領域の専門医と連携し、健康診断で「要精密検査」や「要治療」といった異常所見があった際の二次検査の受診促進の取り組みとして、2023年10月17日に『ニジケンProject』を発足した。また、本プロジェクトの一環として二次検査に関する調査を実施したところ、3人に1人が健康診断の二次検査を「既読スルー」している現状であることが明らかになった。

 本プロジェクトは、近年の心不全、腎臓病、糖尿病の患者の増加とそれに伴う医療費への影響を踏まえ、健康診断後に「要精密検査」や「要治療」といった異常所見がみられた人に対し二次検査(ニジケン)の受診を促進することで、とくに慢性的な疾患の早期発見・早期治療への貢献を目指す。今回、その活動の1つとして、日本ベーリンガーインゲルハイム、日本イーライリリーは調査監修者として寺内 康夫氏(横浜市立大学大学院医学研究科 分子内分泌・糖尿病内科学)らを置き、二次検査実態調査の一次調査(スクリーニング)*1ならびに二次調査(本調査)*2を実施した。
*1:全国の40~69歳の男女6万857人が対象。設問は居住都道府県別や職業、検診経験の有無や異常所見の有無など。
*2:一次調査において、「糖代謝検査(血糖値)」「腎尿路系検査(腎機能、尿検査)」「心電図検査」「呼吸器系検査(胸部X線)」で異常所見があった40〜69歳の男女4,700人を対象とした。

心電図検査に緊急性/必要性を感じない!?

 この二次調査の結果によると、健康診断または人間ドックにおいて、心臓病・腎臓病・糖尿病に関わる検査項目の中で1つでも異常所見*3が指摘された人のうち、約3人に1人(38.2%)は「二次検査」を受診していない項目あり、その理由には「現時点での緊急性/必要性を感じないから(35.8%)」が最も多く、次いで「自覚症状がないから(24.0%)」が挙がった。とくに心電図検査でこれらの回答がやや多かった。ただし、今回の調査対象者の二次検査非受診者(1,348例)のうち約40%は「心腎代謝関連による合併症リスクを知っていれば二次検査を受診する」と回答し、再検査や精密検査を受けたほうがよいと思う検査項目として、心臓病・腎臓病・糖尿病に関わる検査項目を選んでいた。なお、二次検査非受診者は、再検査や精密検査の案内の際、異常所見から考えられる疾病やリスクに対する説明を希望する声が多かった(43.8%)。
*3:異常所見とは、各項目で正常所見以外のチェックが入っている、または総合評価で「要再検査」「要精密検査」「要治療」「要医療」などが記載されていること。

都道府県別の受診率上位と下位は…

 都道府県別の傾向として、二次検査の受診率の上位は宮崎県と岡山県で、3つの検査項目(糖代謝検査、腎尿路系検査[腎機能、尿検査]、心電図検査)においてランクイン。一方、受診率下位は徳島県(糖代謝検査、腎尿路系検査、呼吸器系検査[胸部X線])、福岡県(腎尿路系検査、心電図検査、呼吸器系検査)だった。

(ケアネット 土井 舞子)