EGFR陽性T790M陰性NSCLCに対するオシメルチニブの2次治療は有効(WJOG12819L/KISEKI)/日本肺癌学会2022

提供元:ケアネット

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公開日:2022/12/06

 

 第1/2世代EGFR-TKIで増悪したEGFR陽性T70M陰性非小細胞肺がん(NSCLC)に対し、オシメルチニブの2次治療が有効性を示した。

 第1/2世代EGFR-TKIのPD症例に対するオシメルチニブの2次治療は、T790M変異陽性例にのみ適用できる。反面、残りの半数のT709M陰性例は、オシメルチニブによる治療の恩恵を受けることができないのが現状である。

 そのような中、第1/2世代EGFR-TKIおよびプラチナ化学療法耐性のEGFR陽性T70M陰性NSCLCに対するオシメルチニブ2次治療を評価するWJOG12819L/KISEKI試験が行われている。第63回日本肺癌学会学術集会では、奈良県立医科大学の武田真幸氏が、同試験の初回解析結果を発表した。なお、この試験は、わが国初の患者提案型医師主導試験である。

 今回の解析は第1/2世代EGFR-TKIおよびプラチナ化学療法後PDとなった症例(T790M陰性)を対象にしたコホート2のみであった。同コホートの主要評価項目は中央判定委員会による奏効割合(RR)で、95%信頼区間(CI)の下限が9%を上回ることを基準とした。

 主な結果は以下のとおり。

・主要評価項目である中央判定のRRは29.1%、95%CIは17.6〜42.9と、予め設定した閾値を上回り、主要評価項目を達成した。
・無増悪生存期間中央値は4.07ヵ月、全生存期間は13.73ヵ月であった。
・Grade3以上の有害事象は32.7%に発現したが、すべて既知のもので管理可能であった。

 発表者の武田氏は、「この試験で第1/2世代EGFR-TKIで増悪したEGFR陽性T70M陰性NSCLCに対するオシメルチニブの有効性が示された。ただし、試験のLimitationとして症例数が限定されているため、標準治療であるドセタキセル±ラムシルマブよりも有益か否かは検証できない」と述べている。

(ケアネット 細田 雅之)