既治療のEGFR陽性扁平上皮NSCLCに対するsintilimab+ベバシズマブ+化学療法の有用性(ORIENT-31)/ESMO2022

提供元:ケアネット

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公開日:2022/10/11

 

 EGFR-TKI治療歴のあるEGFR陽性の扁平上皮非小細胞肺がん(Sq NSCLC)患者に対して、抗PD-1抗体sintilimab、ベバシズマブバイオシミラー、化学療法の併用療法は化学療法に比べて無増悪生存期間(PFS)を延長した。第III相試験ORIENT-31の第2回中間解析結果として、中国・上海交通大学のShun Lu氏が欧州臨床腫瘍学会(ESMO2022)で報告した。

・対象: EGFR-TKI治療歴のあるEGFR陽性のSq NSCLC患者
・試験群(1):sintilimab+IBI305(ベバシズマブバイオシミラー)+ペメトレキセド+シスプラチン(158例)
・試験群(2):sintilimab+ペメトレキセド+シスプラチン(158例)
・対照群:ペメトレキセド+シスプラチン(160例)
・評価項目:
[主要評価項目]PFS
[副次評価項目]客観的奏効率(ORR)、病勢コントロール率(DCR)、奏効期間(DoR)

 主な結果は以下のとおり。

・中央値13.1ヵ月の追跡期間において、試験群(1)、試験群(2)、対照群のPFS中央値はそれぞれ7.2ヵ月、5.5ヵ月、4.3ヵ月であり、試験群(2)は対照群に対してPFSを有意に改善していた(ハザード比:0.72、95%信頼区間[CI]:0.55〜0.95、p=0.0181)。なお、試験群(1)の対照群に対するPFS改善効果については、1回目の中間解析で報告済み。
・試験群(1)、試験群(2)、対照群のORRはそれぞれ48.1%、34.8%、29.4%であった。
・試験群(1)、試験群(2)、対照群のDCRはそれぞれ86.1%、81.6%、75.6%であった。
・試験群(1)、試験群(2)、対照群のDoR中央値はそれぞれ8.5ヵ月、7.4ヵ月、5.7ヵ月であった。
・Grade3以上の有害事象は、試験群(1)、試験群(2)、対照群のそれぞれ59.5%、46.2%、56.9%に認められた。

 Lu氏は今回の結果について、「EGFR-TKI治療歴のあるEGFR陽性のSq NSCLC患者に対して、抗VEGF抗体の有無にかかわらず、白金系抗がん剤に抗PD-1抗体を併用することでPFSが改善することが示唆された」とまとめた。

(ケアネット)