オシメルチニブのEGFR変異陽性肺がん術後補助療法が国内承認/AZ

提供元:ケアネット

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公開日:2022/08/29

 

 アストラゼネカは、オシメルチニブ(商品名:タグリッソ)について、2022年8月24日、「EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌における術後補助療法」の適応症について、厚生労働省の承認を取得したと発表。

 肺がんは罹患率が高く、死亡率の高いがん種である。日本を含むアジアにおいては、非小細胞肺がん(NSCLC)の約30〜40%がEGFR遺伝子変異陽性と診断されており、欧米と比較してその割合が高いことが知られている。また、NSCLC患者全体の最大30%が、切除可能な早期NSCLCと診断されるが、依然として再発することが課題であり、これまでに、IB期と診断された患者の半数近く、IIIA期と診断された患者の4分の3以上が、5年以内に再発を経験していると報告されている。

 今回の承認は、オシメルチニブの病理病期II期およびIIIA期のEGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)の術後補助療法における無病生存期間(DFS)を主要評価項目とした第III相ADAURA試験のデータに基づいている。同試験でオシメルチニブはDFSのハザードリスクを83%減少させている(ハザード比[HR]:0.17、99.06%CI:0.11~0.26、p<0.001)。

 ADAURA試験のデータ解析は2022年の予定であったが、オシメルチニブが顕著な有効性を示したことから、独立データモニタリング委員会の勧告に従って早期(2020年)に試験結果が報告された。

(ケアネット 細田 雅之)