テポチニブのMET exon14スキッピングNSCLCへの効果、再現性持って示される(VISION)/WCLC2022

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2022/08/26

 

 テポチニブのMET exon14スキッピング非小細胞肺がん(NSCLC)におけるVISION試験の検証(confirmative)コホートC の解析からテポチニブの再現性ある有効性が示された。

 テポチニブのMET exon14スキッピングNSCLCに対する有用性は、同試験のprimaryコホートAで示され、各国で承認されている。世界肺癌学会(WCLC2022)では、confirmativeコホートCの初回解析の結果が、ドイツ・ハイデルベルグ大学のMihael Thomas氏から発表された。

・対象:Stage IIIB/IVのMET exon14スキッピングNSCLC患者
・介入:テポチニブ 500mg/日
・評価項目:
[主要評価項目]独立判定委員会評価(IRC)による全奏効率(ORR)
[副次評価項目]治験担当医によるORR、奏効期間(DoR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性、健康関連QOL

 主な結果は以下のとおり。

・追跡期間中央値は29ヵ月(データカットオフ2022年2月20日) であった。
・コホートC全体のORRは54.7%、DCRは80.1%、DoR中央値は20.8ヵ月、PFS中央値は13.8ヵ月、OS中央値は18.8ヵ月であった。
・1次治療集団におけるORRは60.0%、DoR中央値は未到達、PFS中央値は15.9ヵ月、OS中央値は21.1ヵ月であった。
・2次治療集団ではそれぞれ51.0%、12.6ヵ月、13.8ヵ月、18.8ヵ月で、1次治療では2次治療以上の成績であった。
・テポチニブのGrade3以上の有害事象(AE)発現は34.2%で、そのうち、末梢神経障害は10.9%に発現した。
・減量を必要としたAEは33.5%、中断を必要としたAEは42.5%、永久中止が必要なAEは14.7%であった。
・コホートAとCを合わせた脳転移例(43例)の探索的研究では、69.8%が放射線治療を受けていたにもかかわらず、頭蓋内DCRは88.4%で、頭蓋内PFS中央値は20.9ヵ月を示した。

 コホートCにおいて、テポチニブのMET exon14スキッピングNSCLCに対する有効性と効果の持続性が再現され、とくに効果は未治療例で顕著であった。脳転移例への有益性は探索的研究で示された。忍容性は良好で、治療の完全中断例は少なかった。

(ケアネット 細田 雅之)