進展型小細胞肺がんの1次治療におけるペムブロリズマブ+化学療法(KEYNOTE-604)/WCLC2022

提供元:ケアネット

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公開日:2022/08/24

 

 進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)の1次治療において、ペムブロリズマブと化学療法の併用が良好な成績を示した。試験結果は、米国・メモリアルスローンケタリングがんセンターのRudin氏により世界肺癌学会(WCLC2022)で発表された。

 ES-SCLCの1次治療におけるエトポシド+カルボプラチン(EP)とペムブロリズマブの併用はプラセボとの併用に比べ、無増悪生存期間(PFS)を有意に改善することがKEYNOTE-604試験の結果で示されている(HR:0.75)。WCLC2022では、35サイクルを完遂した患者における3.5年の追跡結果が、全生存期間(OS)を含め発表された。

・対象:未治療のStage IVのSCLC
・試験薬群:ペムブロリズマブ+EP 3週ごと4サイクル →ペムブロリズマブ 3週ごと31サイクル(n=228)
・対照群:プラセボ+EP 3週ごと4サイクル →プラセボ 3週ごと31サイクル(n=225)
・評価項目
[複合主要評価項目]盲検化独立中央委員会(BICR)評価のPFSとOS
[副次評価項目]全奏効率(ORR)、BICR評価の奏効期間(DoR)、安全性

 主な結果は以下のとおり。

・無作為割付けからデータカットオフまでの期間は43.3ヵ月であった。
・ITT集団のOS中央値はペムブロリズマブ群10.8ヵ月、プラセボ群9.7ヵ月であった (HR: 0.76、95%CI:0.63〜0.93)
・ITT集団のPFSはペムブロリズマブ群4.8ヵ月、プラセボ群4.30ヵ月であった (HR:0.70、95%CI:0.57〜0.85)。
・ORRはペムブロリズマブ群 70.6%、プラセボ群61.8%であった。
・DoRはペムブロリズマブ群 4.2ヵ月、プラセボ群3.7ヵ月であった。
・全有害事象(AE)はペムブロリズマブ群の100%、プラセボ群の99%で発現した。
・免疫関連有害事象はベムプロ群の27.4%、プラセボ群の12.1%で発現した。

 およそ3.5年の追跡の結果、ペムブロリズマブ+EPはES-SCLCに対し、OSとPFSに関して臨床的に意味のある改善を維持した。

(ケアネット 細田 雅之)

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