ニボルマブ+化学療法による肺がん術前後補助療法が生存改善(NADIM II) /WCLC2022

提供元:ケアネット

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公開日:2022/08/22

 

 ニボルマブ+化学療法による非小細胞肺がん(NSCLC)の術前後補助療法の第II相試験NADIM IIの成績が世界肺癌学会(WCLC2022)で発表された。スペイン・University Hospital Puerta de Hierro-MajadahondaのProvencio氏から発表された結果は無病生存期間(PFS)、全生存期間(OS)とも良好であった。

・対象:切除可能なStage IIIA~III B (AJCC 第8版) NSCLC(EGFR/ALK変異なし)
・試験群:ニボルマブ(360mg)+パクリタキセル(200mg/m2)+カルボプラチン(AUC5)3週ごと3サイクル→手術→ニボルマブ(480mg)4週ごと6ヵ月
・対照群:パクリタキセル(200mg/m2)+カルボプラチン(AUC5)→手術→観察12週
・評価項目:
[主要評価項目]ITT集団における病理学的完全奏効(pCR)
[副次評価項目]主要な病理学的奏効(MPR)、OS、PFS、バイオマーカーなど

 主な結果は以下のとおり。

・追跡期間の中央値は 26.1ヵ月であった。
・根治的手術を受けた患者はニボルマブ+化学療法群は93%、化学療法群は69.0%であった(OR:5.96、95%CI:1.65〜21.56、p=0.00807)。
・追跡期間中央値26.1ヵ月のPFS中央値はニボルマブ+化学療法群は未到達、化学療法群は18.3ヵ月であった(HR:0.48、95%CI:0.25〜0.91、p=0.025)。12ヵ月PFSはそれぞれ89.3%と60.7%、24ヵ月PFSはそれぞれ66.6%と42.3%であった。
・OS中央値はニボルマブ+化学療法群、化学療法群とも未到達(HR:0.40、95%CI:0.17〜0.93、p=0.034)、12ヵ月OSはそれぞれ98.2%と60.7%、24ヵ月OSはそれぞれ84.7%と63.4%であった。
・ニボルマブ+化学療法群の安全性と忍容性は維持されていた。

 NADIM II試験は切除可能なStage IIIA~IIIB NCSLCに対する免疫治療薬ベースの術前補助療法によるOS改善を示した最初の臨床試験であるとProvencio氏は結んだ。

(ケアネット 細田 雅之)

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