MET exon14スキッピング肺がんにおけるsavolitinibの有望な結果/ELCC2022

提供元:ケアネット

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公開日:2022/04/12

 

 MET阻害薬savolitinibの非盲検第II相試験の結果が、欧州肺癌学会議(ELCC2022)で発表された。savolitinibは中国のMET exon14スキッピング変異を有する肺肉腫様がん(PSC)と非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対し有望な成績を示した。

 PSC(25例)とNSCLC(45例)全体の全生存期間(OS)中央値は12.5ヵ月という成績であった(追跡期間中央値28.4)。18ヵ月OS率は42%、24ヵ月OS率は31%である。

 既治療患者(42例)の未治療患者(28例)のサブグループ解析では、OS中央値はそれぞれ19.4ヵ月と10.9ヵ月、18ヵ月OS率は50%と30%であった。疾患別にみると、PSCとNSCLCのOS中央値はそれぞれ10.6ヵ月と17.3ヵ月、18ヵ月OS率は30%と49%であった。また脳転移例(15例)のOS中央値は17.7ヵ月、18ヵ月OS率は50%という結果であった。

 有害事象の発生率は、サブグループ間で一貫していた。Grade3以上の治療関連有害事象は46%の患者で報告され、最も多い項目は末梢浮腫(9%)、AST上昇(13%)、ALT上昇(10%)であった。

 発表者のスイス・ジュネーブ大学病院のAlfredo Addeo氏は、「データは有望ではあるが、従来のMET阻害薬と同等であり画期的とはいえない。PSCの場合、比較的若い患者集団であることが多く、依然として患者の生存率の改善に役立つ新しい治療法が必要である」と述べている。

(ケアネット 細田 雅之)