COVID-19の血栓症発生率、他のウイルス性肺炎の3倍

提供元:ケアネット

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公開日:2020/11/26

 

 血栓症は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の際立った特徴だが、COVID-19以外のウイルス性呼吸器疾患による血栓症の発生率は不明である。今回、米国・ニューヨーク大学のNathaniel R. Smilowitz氏らが、米国でCOVID-19以外の急性ウイルス性呼吸器疾患で入院した患者における血栓症の発生率を調べた結果、2020年にニューヨークにおいてCOVID-19で入院した3,334例での血栓症発生率より有意に低かった。American Heart Journal誌オンライン版2020年11月9日号に掲載。

 本調査の対象は、2002~14年にCOVID-19以外のウイルス性呼吸器疾患で入院した18歳以上の成人で、主要アウトカムは、ICD-9による心筋梗塞(MI)、急性虚血性脳卒中、静脈血栓塞栓症(VTE)などの静脈および動脈血栓イベントの複合とした。

 主な結果は以下のとおり。

・2002~14年にウイルス性呼吸器疾患で入院した95万4,521例(平均年齢62.3歳、女性57.1%)のうち、動脈または静脈血栓症の発生率は5.0%であった。
・各血栓イベントの発生率は、急性MIが2.8%、VTEが1.6%、虚血性脳卒中が0.7%、その他の全身性塞栓症が0.1%であった。
・血栓症を合併した患者は合併していない患者より院内死亡率が高かった(14.9% vs.3.3%、p<0.001)。
・血栓症を合併した患者の割合は、2020年のCOVID-19患者(年齢中央値64歳、女性39.6%)に比べ、2002~14年のウイルス性呼吸器疾患の患者のほうが有意に低かった(5.0% vs.16.0%、p<0.001)。

(ケアネット 金沢 浩子)