日本人の悪性黒色腫4,594例を解析、その特徴が判明

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 筑波大学医学医療系皮膚科長・准教授・病院教授の藤澤 康弘氏を含む日本皮膚悪性腫瘍学会・Japanese Melanoma Study(JMS)の研究グループらは、日本人患者4,594例の悪性黒色腫による臨床的特徴や予後因子を分析した成果を、Cancer Medicine誌オンライン版2019年4月1日号で発表した。各ステージの5年疾患特異的生存率は白人種と同等の傾向がみられること、あらゆるステージで病型と生存率に関連性はみられないが、末端黒子型黒色腫(ALM)がStageIIIAでは予後不良と関連することなどが明らかになったという。著者は「このようなまれな浸潤性が強い悪性黒色腫をターゲットとした臨床試験の実施を提案する」と述べている。悪性黒色腫の発症率は、白人種と比べアジア人種では低いことが知られているが、これまでアジア人種に関する大規模なフォローアップデータはほとんどなく、本研究は著者の言葉を借りれば「われわれの知る限り、アジア最大規模の研究成果」として注目される。

 本研究は、日本人の悪性黒色腫患者の臨床的特徴を調べ、予後因子の評価を目的とし、詳細な患者情報をJMSのデータベースから集めて行われた。また、米国がん合同委員会(AJCC)の第7版TNM分類を用いて解析を行い、浸潤性の悪性黒色腫患者における臨床的および組織学的パラメータの疾患特異的生存率への影響をKaplan-Meier法とCox比例ハザードモデルを用いて算出した。

 主な結果は以下のとおり。

・合計4,594例が解析に含まれた。
・平均年齢64.1歳、女性54.1%、家族歴あり2.1%、ほかの悪性腫瘍あり7.9%だった。
・原発巣は下肢が最も多く(41.7%)、続いて上肢(20.2%)だった。また、全悪性黒色腫のうち44.7%が手(hands)と足(feet)で占められた。
・病型は、ALMが最も多く(40.4%)、表在拡大型黒色腫(SSM、20.5%)、結節型黒色腫(NM、10.0%)、粘膜部黒色腫(9.5%)、悪性黒子型黒色腫(LMM、8.1%)と続いた。
・非ヒスパニック系白人種ではALMは1.5%、白人種では最も多いSSMが20.5%にとどまるなど、日本人と西欧諸国の集団では多くの点で違いがあることが明白になった。
・各ステージの5年疾患特異的生存率は、IA=98.0%、IB=93.9%、IIA=94.8%、IIB=82.4%、IIC=71.8%、IIIA=75.0%、IIIB=61.3%、IIIC=41.7%、IV=17.7%であった。
・多変量解析の結果、すべてのステージで病型と生存率は関連しないことが示されたが、StageIIIAではALMが予後不良の独立因子であった。

(ケアネット)

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