画像認識技術を応用し薬剤一包化を監査/富士フィルム

提供元:ケアネット

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公開日:2019/01/09

 

 富士フイルム株式会社は、一包化された薬剤の名称と数量を自動的に判定し、調剤薬局などでの薬剤師の監査業務をサポートする一包化監査支援システム「PROOFIT 1D(プルーフィット ワンドース)」を、2019年1月11日より富士フイルム富山化学株式会社(社長:岡田 淳二)を通じて発売する。

 昨今、高齢化に伴って慢性疾患が増え、一回に服用する薬剤が多くなる中、薬剤の飲み忘れや飲み間違いを防止するために、薬剤の一包化ニーズが高まっている。現在、薬剤師には、健康被害を防ぐため、薬剤を渡す時に、薬剤の種類や数量に間違いがないかを確認する監査業務が義務付けられている。しかし、一包化された薬剤の監査業務では、薬剤師が一包ごとに薬剤の種類と数量を目視で確認しているため、大きな作業負荷がかかる。今後、在宅医療における服薬支援・指導など、地域での薬剤師の役割期待が拡大する中で、目視のみならず、システムも活用して、薬剤の監査業務の効率性をより高めていきたいというニーズがますます高まっている。

 「PROOFIT 1D」は、富士フイルムが写真・医療分野で培ってきた技術を応用して開発した一包化監査支援システム。高度な光学設計技術や画像処理技術により、錠剤やカプセル剤の高画質撮影を実現。さらに独自の画像認識技術で、一つ一つの錠剤の刻印や文字、カプセル剤の色や形などを高速・高精度に読み取る。また、新たに開発した「錠剤の刻印や文字の抽出技術」により、これまで困難であった、錠剤の表裏や刻印の向きをそろえた、一包化された薬剤の一覧表示が可能。刻印を強調表示する機能も搭載しているため、モニター上で薬剤師が監査しやすい情報を提供する。

 このほか、監査に使用した画像を専用パソコンに50万包分保存することが可能で、いつでも処方した薬剤を検索して画像で確認できるため、履歴管理を効率的に行うことができる。さらに、薬剤の名称を判定するために参照する医薬品のマスターデータを、専用回線を通じて自動的に更新することが可能。新たに販売された医薬品の監査業務にも対応するとともに、システムの維持管理にかかる業務負担を軽減する。

(ケアネット 細田 雅之)