ベンゾジアゼピン使用に伴う認知症リスクに関するメタ解析

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 ベンゾジアゼピンは高齢や壮年期の患者において一般的に使用されているが、その使用は、認知症リスクの増加と関連している可能性がある。観察研究でベンゾジアゼピンの使用が認知症リスクを増加させることが示唆されているが、これらの研究では、因果の逆転(protopathic bias)に関する重大な懸念があり、決定的な所見が見いだされていない。オーストラリア・シドニー大学のRoss Penninkilampi氏らは、protopathic biasを制御した後、高齢患者におけるベンゾジアゼピンの使用に関連する認知症リスクについて調査を行った。CNS drugs誌オンライン版2018年6月20日号の報告。

 2018年6月5日までの、ベンゾジアゼピン使用の適切な評価および信頼できる認知症診断方法で確認された50例以上の観察研究を、電子データベース(MEDLINE、PubMed、EMBASE、CINAHL、LILACS、CENTRAL)を用いて検索を行った(言語制限なし)。現在または過去の短時間/長時間作用型ベンゾジアゼピン薬の使用と認知症との関連を分析した。protopathic biasの影響を評価するため、ログタイム導入によるサブグループ解析を行った。研究の質を評価するため、Newcastle-Ottawa Scaleを用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・14件の論文で報告された15件の研究より、15万9,090例が抽出された。
・常時、ベンゾジアゼピンを使用することで、認知症リスクは有意に増加していた(オッズ比[OR]:1.39、95%CI:1.21~1.59)。
・protopathic biasを制御する可能性が最も高い5年以上の最長ログタイムによる研究では、認知症リスクはわずかに弱まったが、以前として有意な差が認められた(OR:1.30、95%CI:1.14~1.48)。
・長時間作用型ベンゾジアゼピン薬(OR:1.21、95%CI:0.99~1.49)は、短時間作用型(OR:1.13、95%CI:1.02~1.26)と比較し、リスク値がわずかに高かったが、そのリスクは統計学的に有意ではなかった(p=0.059)。

 著者らは「ベンゾジアゼピン使用と認知症リスクとの関連性は、protopathic biasによる人為的なものではないことが示唆された。不適切なベンゾジアゼピン使用を減少させることは、認知症リスクを低減させる可能性がある」としている。

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(鷹野 敦夫)

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