レンバチニブ、世界に先駆け肝細胞がんに国内承認

提供元:ケアネット

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公開日:2018/03/29

 

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)とMerck & Co., Inc. Kenilworth, N.J, U.S.A.は2018年3月23日、マルチキナーゼ阻害薬レンバチニブ(商品名:レンビマ)について、日本において新たに「切除不能な肝細胞癌」の効能・効果追加の承認を取得したと発表。これは、肝細胞がん全身化学療法の1次治療薬として、約10年ぶりの治療選択肢の追加となる。

 今回の承認は、全身化学療法歴のない切除不能な肝細胞がん患者を対象としたレンバチニブの臨床第III相試験(304/REFLECT試験)の結果に基づいている。本試験の結果、レンバチニブは、標準治療薬ソラフェニブを対照として、全生存期間の統計学的な非劣性を証明し(レンバチニブ群13.6ヵ月 vs.ソラフェニブ群12.3ヵ月)、主要評価項目を達成した(HR:0.92、95%CI:0.79~1.06)。また、副次評価項目の無増悪生存期間(HR:0.66、95%CI:0.57~0.77、p<0.00001)、無増悪期間(HR:0.63、95%CI:0.53~0.73、p<0.00001)、奏効率(レンバチニブ群24% vs.ソラフェニブ群9%、p<0.00001)について、ソラフェニブに対して、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示した。本試験においてレンバチニブ群で高頻度に確認された有害事象は、高血圧(42%)、下痢(39%)、食欲減退(34%)、体重減少(31%)、疲労(30%)で、これまでに認められた安全性プロファイルと同様であった。

■参考
REFLECT試験(Clinical Trials.gov)


(ケアネット 細田 雅之)