MRIで軽度認知障害からの進行を予測 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/12/01 健忘または非健忘な認知障害を伴う軽度認知障害(MCI)患者の海馬体積(HV)により、アルツハイマー病(AD)と競合するレビー小体型認知症(DLB)の可能性のある認知症リスクを予測するため、米国・フロリダ大学のKejal Kantarci氏らが検討を行った。Neurology誌2016年11月号の報告。 2005~14年にベースラインでMRI試験に参加したメイヨークリニックアルツハイマー病研究センターのMCI患者160例を対象に、毎年臨床評価を行った。HVは、FreeSurfer(5.3)を用いて、3T MRIから分析した。海馬委縮は、ADと診断された患者の個別コホートにおける測定分布の中で最も正常な10パーセンタイルより決定した。潜在的なDLB、ADへの進行の部分分布ハザード比は、競合するリスクを考慮し推定した。 主な結果は以下のとおり。 ・中央値2.0年(範囲:0.7~8.1年)の経過観察中に、MCI患者の20例がDLBに進行し(13%)、61例がADに進行した(38%)。 ・競合するリスクを考慮した後、ADに進行する海馬委縮に対する正常HVの推定部分分布ハザード比は、0.56(95%CI:0.34~0.91、p=0.02)であった。 ・年齢調整およびMCIサブタイプを含めた後、probable DLBへの進行に対する海馬委縮に対する正常HVの推定ハザード比は、4.22(95%CI:1.42~12.6、p=0.01)であった。 著者らは「保存された海馬量は、MCI患者のADと競合する可能性の高いDLBのリスク増加と関連していた。HV保存は、とくに非自閉症の特徴を有するMCI患者において、ADに対する前駆期DLBをサポートすることができる」としている。 関連医療ニュース MCIからAD、DLBへの進行を予測するには:順天堂大 軽度認知障害からの進行を予測する新リスク指標 MCIから初期アルツハイマー病を予測、その精度は (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Kantarci K, et al. Neurology. 2016;87:2317-2323. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 軽度認知障害および早期認知症患者向けアプリの有用性を評価した 医療一般 日本発エビデンス(2023/11/13) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] FUS-ALSの治療、jacifusenが有望/Lancet(2025/06/09) 軽症~中等症COVID-19、40種の薬物療法を比較/BMJ(2025/06/09) 胃がん周術期、FLOTにデュルバルマブ上乗せでEFS改善(MATTERHORN)/ASCO2025(2025/06/09) 統合失調症とうつ病における幻聴の違いは(2025/06/09) 進行尿路上皮がん1次治療、EV+ペムブロリズマブによるCR・PR症例の探索的解析結果(EV-302/KEYNOTE-A39)/ASCO2025(2025/06/09) 乳がん内分泌療法に伴うホットフラッシュにelinzanetantが有効(OASIS-4)/ASCO2025(2025/06/09) がん患者のワクチン接種率を上げるカギは医療者からの勧め/日本がんサポーティブケア学会(2025/06/09) 好奇心は加齢に伴い減退する?(2025/06/09) [ あわせて読みたい ] 医療・介護施設従事者のための転倒・転落事故へのアプローチ ~転倒・転落事故のメカニズム、予防、事故後フォローのすべて~(2025/02/27) 非機器的早期運動療法はDVT発生率を低減【論文から学ぶ看護の新常識】第1回(2025/02/05) トレンド・トーク『肺がん』(2024/06/11) 災害対策まとめページ(2024/02/05) Dr.大塚の人生相談(2024/02/26) IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01) 旬をグルメしながらCVIT誌のインパクトファクター獲得を祝福する【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第63回(2023/08/29) エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11)