認知症予防にベンゾジアゼピン使用制限は必要か

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 ベンゾジアゼピン(BDZ)による有害作用と同時に、BDZやz薬(BDZR)使用による認知・記憶への影響も知られており、高齢者に対するBDZRと認知症リスクとの関連は大きな議論を呼んでいる。コホートや保険請求データによるこれまでの研究の多くでは、BDZやBDZR使用による認知症リスク増加が示されている。これまでドイツでは、大規模な人口ベースデータセットによる分析が不足していた。ドイツ神経変性疾患センターのWilly Gomm氏らは、大規模なドイツ保険請求データセットを用いて、定期的なBDZR使用と認知症事象との関連を評価した。Journal of Alzheimer's disease誌2016年9月6日号の報告。

 2004~11年の長期的なドイツ公的医療保険データを用いて、ケースコントロールデザインによるBDZR使用(非BDZR使用に対する)と認知症事象との関連を分析した。ベースライン時に認知症でなかった60歳以上の患者を調査した。潜在的な原発性バイアスに対応するため、BDZR処方と認知症診断との間に遅延時間を設けた。オッズ比は、条件付きロジスティック回帰分析により算出し、併存疾患や多剤併用などの潜在的な交絡因子を調整した。

 主な結果は以下のとおり。

・BDZRの定期的な使用は、60歳以上の患者において認知症事象の有意な増加と関連が認められた(調整OR:1.21、95%CI:1.13~1.29)。
・その関連は、短時間作用型よりも長時間作用型で少し強かった。
・高曝露と認知症リスク増加の傾向が認められた。

 著者らは「高齢者の認知症予防に対し、BDZRの使用制限が寄与すると考えられる」としている。

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(鷹野 敦夫)

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