医学の進歩はてんかん発症を予防できるようになったのか

提供元:
ケアネット

医学の進歩はてんかん発症を予防できるようになったのかのイメージ

 てんかんの新規発症の予防は、重要な公衆衛生上の問題であり、緊急のアンメットニーズである。しかし、その予防が進んでいるかは不明である。フィンランド・トゥルク大学のMatti Sillanpaa氏らは、この40年間の医学の発展による、フィンランドにおけるてんかん予防の進展を検討した。JAMA neurology誌オンライン版2016年2月15日号の報告。

 504万人のフィンランドの長期的国家レジスタ研究を使用し、1973~2013年にフィンランドで新規にてんかんと診断された入院患者を検討した。てんかん患者は、2回以上の非誘発性発作の発生により定義した。本研究は、2015年7月に実施された。なお、フィンランドではてんかん患者は診断時にルーチンに入院していることから、てんかん発症のエビデンスが存在する。

 主な結果は以下のとおり。

・1973~2013年にフォローアップされたフィンランド人平均504万人のうち、10万792人がてんかんと同定された。
・このうち、4万6,995人(47%)は、焦点てんかんであった。
・研究に含まれた患者の平均年齢は、男性45歳(四分位範囲:24~65歳)、女性46歳(同:23~71歳)であった。
・年齢範囲65歳未満のてんかん発症率に変化は認められなかった(1973年:10万人当たり60人、2013年:同64人)。
・しかし、65歳超では、有意なてんかんの増加が認められた(1973年:10万人当たり57人、2013年: 同217人)。

 著者らは「本研究では、この40年間で、65歳未満の新規てんかん発症が予防されたとのエビデンスは見受けられなかった。むしろ実際には、高齢者では、新規てんかん発症が約5倍に上昇していた」とまとめている。

関連医療ニュース
てんかんの原因遺伝子発見により臨床にどのような変化が起こったか
薬剤抵抗性てんかんに関する新たな定義を検証
てんかん重積状態の薬物療法はエビデンス・フリー・ゾーン

(鷹野 敦夫)

掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。)