現時点では、ADHDと問題ギャンブル(problem gambling)との関連についての文献には矛盾がある。カナダ・マニトバ大学のJennifer Theule氏らは、ADHD症状と問題ギャンブルの症状との関連を明確にするためメタ分析を行った。Journal of attention disorders誌オンライン版2016年2月1日号の報告。
ADHDとギャンブルとは年齢上昇に伴って強い関連
ADHD症状と問題ギャンブルの症状との関連を明確にするためのメタ分析には、ランダム効果モデルを用いて行った。PsycINFO、PubMed、ProQuest Dissertations & Theses、Google Scholarより、関連する研究を検索した。
ADHD症状と問題ギャンブルの症状との関連を明確にするためメタ分析を行った主な結果は以下のとおり。
・ADHD症状とギャンブル重症度との間の加重平均の相関は、r=0.17(95%CI:0.12~0.22、p<0.001)であった。
・サンプルの平均年齢は、有意性に近い唯一の調整因子であり、年齢上昇に伴いADHD症状とギャンブル重症度との間に強い関連が認められた。
・臨床医は、問題のあるギャンブラーに対応するときはADHD症状リスクが高いことを認識する必要があり、逆の場合もまた同様である。
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