尿もれ治療の経口抗コリン薬、ドライアイの原因に

提供元:ケアネット

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公開日:2016/01/06

 

 切迫性尿失禁や過活動膀胱の主たる治療薬である経口抗コリン薬は、排尿筋以外に眼や唾液腺などのムスカリン受容体も阻害する。トルコ・Zekai Tahir Burak Women's Health Education and Research HospitalのZuhal Ozen Tunay氏らは、過活動膀胱の女性患者において前向き研究を行い、経口抗コリン薬が涙液分泌に対し有意な悪影響を及ぼし、投与期間が長いほどその影響が大きくなる可能性があることを報告した。International Urogynecology Journal誌オンライン版12月7日号の掲載報告。

 研究グループは、過活動膀胱と診断された女性108例(平均51.8±9.2歳、範囲30~69歳)を対象に抗コリン薬で治療を行うとともに、抗コリン薬投与開始時、投与30日後および90日後に眼科検査、涙液層破壊時間(BUT)の測定およびシルマー試験(1法)を実施し、自覚症状(口乾、眼の灼熱感・乾燥・異物感)を調査した。

 主な結果は以下のとおり。

・最も頻度の高かった自覚症状は、口渇と眼の乾燥で、いずれも投与30日後および90日後ともに有意であった。
・BUTおよびシルマー試験値は、いずれも投与30日後および90日後ともに有意に低下した。
・ドライアイ評価項目(BUTおよびシルマー試験値)は、抗コリン薬の投与期間に伴って悪化した(BUT:投与30日後p=0.037、90日後p=0.012、シルマー試験:それぞれp=0.046およびp=0.035)。

(ケアネット)