リパスジル、既存薬との併用療法の有効性確認

提供元:ケアネット

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公開日:2015/08/06

 

 新規Rhoキナーゼ阻害薬のリパスジル塩酸塩水和物(K-115)(商品名:グラナテック)は、単独療法において眼圧下降効果と良好な安全性プロファイルが認められている。熊本大学 眼科学分野教授の谷原 秀信氏らは、他の緑内障治療薬との併用療法を検討する2件の多施設共同無作為化プラセボ対照二重盲検群間比較試験を行い、チモロールまたはラタノプロストへの併用においても眼圧下降効果が認められることを示した。ただし、ラタノプロストへの併用の効果は朝点眼直前(トラフ値)ではみられなかった。JAMA Ophthalmology誌2015年7月1日号の掲載報告。

 研究グループは、原発開放隅角緑内障(POAG)または高眼圧症(OH)患者においてリパスジル0.4%をチモロール0.5%またはラタノプロスト0.005%と併用点眼したときの眼圧下降効果と安全性を検討した。

 対象は、チモロールまたはラタノプロスト単独療法を行っても眼圧18mmHg以上のPOAGまたはOH患者それぞれ208例および205例。どちらもリパスジル併用群またはプラセボ併用群に無作為化し、リパスジルまたはプラセボを1日2回、チモロールまたはラタノプロストに追加して8週間点眼した

 朝点眼直前(午前9時)と点眼2時間後(午前11時)のベースラインからの眼圧変化量を、リパスジル併用群とプラセボ併用群とで比較し、4、6、8週の3時点を繰り返し時点とした反復測定分散分析を行った。

主な結果は以下のとおり。

・リパスジル+チモロール併用試験:平均眼圧変化量は、朝点眼直前がリパスジル併用群-2.4mmHg、プラセボ併用群-1.5mmHg、群間差0.9mmHg(95%信頼区間[CI]:0.4~1.3、p<0.001)、点眼2時間後がそれぞれ-2.9mmHgおよび-1.3mmHg、群間差1.6mmHg(同:1.1~2.1、p<0.001)であった。
・リパスジル+ラタノプロスト併用試験:平均眼圧変化量は、朝点眼直前がリパスジル併用群-2.2mmHg、プラセボ併用群-1.8mmHg、群間差0.4mmHg(同:0.0~0.9、p=0.06)、点眼2時間後がそれぞれ-3.2mmHgおよび-1.8mmHg、群間差1.4mmHg(同:0.9~1.9mmHg、p<0.001)であった。
・最も頻度の高かった副作用は結膜充血であったが、すべて軽度であり、ほとんどが次の点眼前に無処置にて回復した。

(ケアネット)