統合失調症のカフェイン依存、喫煙との関連に注意 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/03/05 スペイン・Gallegan Health SystemのManuel Arrojo-Romero氏らは、長期間にわたる精神科病院でのカフェイン消費について調べた。結果、統合失調症とカフェイン使用との明らかな関連性は、その大半を喫煙で説明しうることが明らかになったと報告した。Schizophrenia Research誌オンライン版2015年2月20日号の掲載報告。 検討は、統合失調症とカフェイン使用についてより深く探索するため、すでに発表されているスペインの試験(統合失調症外来患者250例と一般集団290例)と、同じくスペインの長期入院患者試験(同一病院から統合失調症145例、その他の重度精神疾患64例)の対象を統合して行われた。とくに、喫煙などの交絡因子で調整後、統合失調症とカフェインの関連が、統合失調症患者全体で一貫して見られるのか、および異なるカフェイン使用の定義においてはどうかを明確にすることを目的とした。 主な結果は以下のとおり。 ・統合失調症入院患者におけるカフェイン使用者の割合は、非統合失調症入院患者と比較して有意に高いとはいえなかった(77%[111/145例] vs. 75%[48/64例])。また、対照と比べても高くなかったが、統合失調症外来患者より有意に高かった。 ・統合失調症入院患者のカフェイン使用者のうち使用頻度が高い人の割合は、非統合失調症入院患者と比較して有意に高いとはいえなかった(45%[50/111例] vs. 52%[25/48例])。また、対照と比べても高くはなかったが、統合失調症外来患者より有意に低かった。 ・喫煙は、全対象および定義にわたってカフェイン使用と有意に関連していた。 ・カフェイン中毒(喫煙者で700mg/日超)は、統合失調症入院患者、同外来患者、非統合失調症入院患者で2~3%であった。 ・また、これらカフェイン中毒の喫煙患者の何人かは、他の誘導物質(とくにオメプラゾール)も摂取していた。 ・統合失調症とカフェイン使用との間に一貫した関連がみられなかったことは、全解析群(使用者および高使用者)および全対象において喫煙とカフェイン使用との関連が非常に一貫していたことと比較すると驚くべきことであった。 ・統合失調症とカフェイン使用の明白な関連は、喫煙の交絡的な影響により説明することができる。 関連医療ニュース 統合失調症患者の過度なカフェイン摂取、どう対処すべき 統合失調症患者は、なぜ過度に喫煙するのか 認知症治療薬ガランタミン、ラット試験で喫煙欲求の軽減効果を確認 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Arrojo-Romero M, et al. Schizophr Res. 2015 Feb 20. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] エボロクマブは、高リスクでない患者にも有効か/NEJM(2025/12/01) 心筋梗塞後のβ遮断薬、LVEF保持例の死亡・再発・心不全を抑制せず/NEJM(2025/12/01) 1型糖尿病患者の妊娠中の血糖管理にクローズドループ療法は有効である(解説:小川大輔氏)(2025/12/01) レカネマブ承認後に明らかとなった日本におけるアルツハイマー病診療の課題(2025/12/01) 再発・難治性DLBCLに対するチサゲンレクルユーセルの5年追跡結果(JULIET)/JCO(2025/12/01) 「ゆっくり食べ、よく噛む」習慣と関連する食事・口腔要因を解明(2025/12/01) 20年で大きく生存率が向上したがん・変化の少ないがん/国立がん研究センター(2025/12/01) IgA腎症に対するフィネレノン+SGLT2阻害薬が蛋白尿を減少(2025/12/01) 解熱鎮痛薬による頭痛誘発、その原因成分とは(2025/12/01) [ あわせて読みたい ] 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)