レビー小体型認知症、パーキンソン診断に有用な方法は 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/10/30 パーキンソン症候群はレビー小体型認知症(DLB)の中核症状とされているが、ときに軽度であったり、症状が現れない場合もある。一方で、線条体取り込みの低下はニューロン喪失と関連していると考えられており、画像診断法123I-FP-CIT Brain SPECTは、その診断サポートツールになるとみなされていた。イタリア・ミラノ大学のDel Sole, Angelo氏らは、黒質線条体が変性する疾患と考えられているDLBにおける、123I-FP-CIT Brain SPECTとパーキンソン症候群との相関性について調べた。結果、SPECTは、パーキンソン症候群に関して疑いの余地がない場合(すなわち症候群が存在しない、もしくは明らかに認められる場合)には不要となるが、錐体外路症候群(EPS)が臨床的に認められる患者では、シナプス前部の黒質線条体変性を特定するのに有用である可能性を明らかにした。Clinical Nuclear Medicine誌オンライン版2014年10月6日号の掲載報告。 研究グループは、probable DLB(臨床的ほぼ確実DLB)患者を対象とした後ろ向き研究にて、線条体での123I-FP-CIT取り込みとEPSとの相関について調べ、運動機能障害と関連する123I-FP-CITの支持役割の範囲を明らかにすることを目的とした。半定量法で123I-FP-CIT取り込みを分析し、パーキンソン病統一スケール(UPDRS)パートIIIスコアと関連付けた。 主な結果は以下のとおり。 ・被験者は、probable DLBと診断され、広範なEPSが認められた22例であった。 ・123I-FP-CIT取り込みとUPDRSパートIIIスコアとの間には、有意な負の線形相関が、線条体を構成する尾状核(r=-0.69)、被殻(r=-0.72)で見つかった(p<0.001)。 ・EPSがみられないか疑われた患者における線条体取り込みは、年齢適合健常被験者の記録と類似していた(被殻における取り込みは99%[22%])。しかし、軽度および重度EPS患者では有意な低下がみられた(それぞれ43%[35%]、30%[17%]、p<0.0001だが軽度と重度の間には有意差なし)。 関連医療ニュース 認知症、アルツハイマー型とレビー小体型の見分け方:金沢大学 せん妄はレビー小体型認知症のサインか レビー小体型認知症、アルツハイマー型との違いは? (ケアネット) 原著論文はこちら Del Sole A, et al. Clin Nucl Med. 2014 Oct 6. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 レビー小体型認知症とアルツハイマー病における生存率の違い~メタ解析 医療一般(2019/02/18) レビー小体型認知症の初期症状の特徴 医療一般(2022/12/14) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 術後VTEの予防、REGN7508Catがエノキサパリンを上回る/Lancet(2025/12/08) 宅配DASH食+カウンセリングで血圧は改善するか/JAMA(2025/12/08) 成人期発症の再発型ネフローゼ症候群に対する抗CD20抗体の治療効果(解説:浦信行氏)(2025/12/08) 10人に1人が糖尿病疑い、男性は3割が肥満/国民健康・栄養調査2024(2025/12/08) HR+/HER2-進行乳がん1~2次治療、パルボシクリブvs.ribociclib vs.アベマシクリブ(2025/12/08) 若年女性の4人に1人が低体重:運動習慣が与える影響はBMIで異なる(2025/12/08) 多くの若者がAIチャットボットにメンタルヘルスの問題を相談(2025/12/08) 代謝異常を伴う脂肪肝「MASLD」、慢性腎臓病の独立リスクに(2025/12/08) [ あわせて読みたい ] Dr.大塚の人生相談(2024/02/26) 災害対策まとめページ(2024/02/05) IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01) 旬をグルメしながらCVIT誌のインパクトファクター獲得を祝福する【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第63回(2023/08/29) エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17) 今考える肺がん治療(2022/08/24)