統合失調症の新たなバイオマーカー:順天堂大学

提供元:ケアネット

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公開日:2014/02/13

 

 順天堂大学の勝田 成昌氏らは、急性期統合失調症患者における末梢血のカルボニルストレスマーカー測定の意義について、横断および縦断的研究にて検討した。これまで、慢性統合失調症患者について横断研究による同検討は行われており、末梢カルボニルストレスマーカーの変化、すなわち血清ペントシジンが高値であることはカルボニルストレスが蓄積されていることを示し、またピリドキサール(ビタミンB6)が低値であることはカルボニル化合物活性の緩和を示すことが知られていた。しかし、そうした変化について縦断的な検討はされていなかった。Schizophrenia Bulletin誌オンライン版2014年1月21日号の掲載報告。

 本検討は、日本人急性期統合失調症患者を対象に、カルボニルストレスマーカーが統合失調症の臨床経過のバイオマーカーとして有用であるかについて、横断および縦断的研究にて明らかにすることが目的であった。

 主な結果は以下のとおり。

・137例の患者が登録され、53例について急性期から寛解期まで経過観察した。
・急性期において一部の患者(14例、10.2%)で、血清ペントシジン値が極度に高値であった。
・同値は、症状の重症度とは関連していなかったが、抗精神病薬の用量総計と関連していた。
・ピリドキサール値は、統合失調症では低値であり、臨床経過とともに増加がみられた。
・また、同値が臨床経過とともに減少した18例は、減少値が大きいほど症状改善が乏しいことが認められた。
・以上のように、一部の患者におけるペントシジン値の極端な高値は、抗精神病薬の1日服薬量が高値であることによって引き起こされた可能性があった。一方で、ピリドキサール値は統合失調症では低値であり、臨床経過とともに増加した。臨床経過中にピリドキサール値が低下した患者では、症状の改善が乏しかった。
・カルボニルストレスマーカーは、統合失調症患者において治療のためのバイオマーカーとなる可能性が示唆された。

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(ケアネット)