食後血糖値と全身性掻痒症の関連が明らかに

提供元:ケアネット

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公開日:2013/10/08

 

 食後血糖値と全身性掻痒症には正の関連性があり、糖尿病患者では良好な食後の血糖コントロールが、全身性掻痒症を軽減することに有益性をもたらす可能性があることが、台湾国立大学病院のMei-Ju Ko氏らによる検討の結果、明らかになった。これまで、糖尿病患者において掻痒は頻度の高い症状にもかかわらず、血糖コントロールとの関連についてはほとんど明らかにされていなかったという。European Journal of Dermatology誌オンライン版2013年9月3日号の掲載報告。

 本検討において研究グループは、2型糖尿病患者における全身性掻痒症と血糖コントロールとの関連を明らかにすることを目的とした。被験者は、糖尿病ケアシステムに登録されており、台湾の教育病院の皮膚科で検査を受けた385例であった。

 被験者に対し、視覚アナログスケールなどを用いて詳細な面談調査を行い、さまざまなかゆみの特徴や強度を調べ、多変量ロジスティック回帰分析にて、全身性掻痒症と食後血糖、食前血糖、HbA1cとの関連を評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・被験者385例のうち、全身性掻痒症を訴える患者は27.5%であった。
・かゆみにより、24.5%が入眠困難を、15.1%は睡眠妨害を訴え、9.5%は睡眠薬を要した。
・2型糖尿病患者において、食後血糖値が高い人ほど、全身性掻痒症を有する患者の割合が高率であった(OR:1.41、95%CI:1.05~1.90、p=0.002)。

(ケアネット)