閉経期ホットフラッシュにSSRIが有効 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/08/16 サウジアラビア キング・サウード・ビン・アブドゥルアズィーズ健康科学大学KのTaghreed Shams氏らは、システマティックレビューおよびメタ解析により、閉経周辺期にみられるホットフラッシュに及ぼす選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の影響を検討した。その結果、SSRI の使用によりホットフラッシュの頻度と重症度が改善され、なかでもエスシタロプラム(商品名:レクサプロ)の有効性が良好であることを報告した。Journal of General Internal Medicine誌オンライン版2013年7月26日号の掲載報告。 ホットフラッシュは、閉経周辺期および閉経後早期にみられる最も一般的な血管運動神経系の症状である。研究グループは、無作為化対照試験のシステマティックレビューを行い、SSRIが健常女性の閉経周辺期にみられるホットフラッシュに及ぼす影響を評価し、概括した。2013年3月に、MEDLINE、EMBASE、Cochrane Central Register of Controlled Trials、Web of Science、Scopus のWebデータベースを介して文献検索を行い、独立したレビュワー2名が試験を選択しデータを抽出した。ランダム効果モデルを用いたメタ解析により、試験のアウトカムをプールし、ベイジアン混合効果モデルを用いてSSRIsの有効性の順位付けを行った。 主な結果は以下のとおり。 ・良質な方法で検討された11件の無作為化対照試験から、閉経期および閉経後女性2,069例を登録した。観察期間は1~9ヵ月、年齢は36~76歳、閉経からの平均期間は2.3~6.6年であった。 ・SSRIs群はプラセボ群に比べ、ホットフラッシュの頻度(平均差:-0.93、95%CI:-1.46~-0.37、I2=21%)、各種スケールで評価した重症度(標準化平均差:-0.34、95%CI:-0.59~-0.10、I2=47%)が有意に低かった。 ・有害事象の発現状況は、プラセボとの間に差はみられなかった。 ・ベイジアン混合効果モデルを用いた解析により、エスシタロプラムはその他のSSRIに比べ有効性に優れることが示された。 ・SSRIの使用により、ホットフラッシュの頻度と重症度はやや改善される。しかし、SSRIによる典型的な有害事象の発現もみられた。 関連医療ニュース SSRIは月経前症候群の治療に有用か? 薬剤誘発性高プロラクチン血症への対処は? 抗精神病薬や気分安定薬を服薬中の女性、妊娠・出産のリスクはどの程度? (ケアネット) 原著論文はこちら Shams T et al. J Gen Intern Med. 2013 Jul 26. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] VTE後の抗凝固療法、90日以上継続で再発リスク大幅低下/BMJ(2025/12/10) 未治療および再発・難治性CLL/SLLへのピルトブルチニブ、イブルチニブと直接比較(BRUIN-CLL-314)/JCO(2025/12/10) 成人の肺炎球菌感染症予防の新時代、21価肺炎球菌結合型ワクチン「キャップバックス」の臨床的意義/MSD(2025/12/10) 日本におけるアルツハイマー病診断の時間短縮フロー〜東京大学(2025/12/10) アトピー性皮膚炎へのウパダシチニブ、増量および減量の有効性と安全性/BJD(2025/12/10) ヌシネルセンの高用量処方はSMA患者のQOLをさらに改善する/バイオジェン(2025/12/10) 飲酒が加齢性難聴リスクに影響~日本人1万4千人のデータ(2025/12/10)