コーヒー・紅茶の摂取量と原因別の死亡率の関係~人種によって異なる?

提供元:ケアネット

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公開日:2013/07/01

 

 コーヒーや紅茶の摂取量と死亡率は逆相関することが示唆されているが、原因別の死亡率との関係はあまりわかっていない。米国マイアミ大学のHannah Gardener氏らは、コーヒーや紅茶の摂取量と原因別の死亡率(血管関連、血管関連以外、がん、すべての原因)との関係を、多民族集団ベース研究であるNorthern Manhattan Studyでプロスペクティブに検討した。この調査では、人種によりコーヒー摂取量と血管関連死との関係が異なることが示唆された。Journal of Nutrition誌オンライン版2013年6月19日号に掲載。

 調査には、ベースライン時に脳卒中、心筋梗塞、がんの既往がなかった2,461人が参加した(平均年齢68.30±10.23歳、男性36%、白人19%、黒人23%、ヒスパニック56%)。平均追跡期間11年で、食事摂取頻度調査票により調査したコーヒーと紅茶の摂取量と863人の死亡(そのうち血管関連死は342人、がんによる死亡160人を含む非血管関連死は444人)との関連について、多変量補正Coxモデルにより検討した。

 主な結果は以下のとおり。

・コーヒー摂取量と全死因による死亡率の間に逆相関が認められた(1日当たりの杯数増加につき、HR=0.93、95%CI:0.88~0.99、p=0.02)。カフェイン入りのコーヒーを4杯/日以上飲んだ人では全死因死亡における強い抑制効果が認められた。
・紅茶摂取量と全死因による死亡率の間に逆相関が認められた(1日当たりの杯数増加につき、HR=0.91、95%CI:0.84~0.99、p=0.01)。
・コーヒー4杯/日以上の摂取は非血管関連死を抑制した(1杯/月未満に対して、HR=0.57、95%CI:0.33~0.97)。
・紅茶2杯/日以上の摂取は非血管関連死(HR=0.63、95%CI:0.41~0.95)とがんによる死亡(HR=0.33、95%CI:0.14~0.80)を抑制した。
・ヒスパニックのみ、コーヒーと血管関連死の間に強い逆相関があった。

(ケアネット 金沢 浩子)