抗うつ薬による治療は適切に行われているのか?:京都大学 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/06/13 うつ病に対し、実臨床でどの抗うつ薬を第一選択薬として処方すべきかを検討した報告はいくつか行われているが、その後の継続的な治療効果などに関する研究はほとんどない。京都大学の古川 壽亮氏らは、日本における抗うつ薬による治療実態について健康保険データベースを用い調査した。Journal of affective disorders誌オンライン版2013年5月27日号の報告。 対象は、2009年~2010年の日本の健康保険データベースより抽出された、新規抗うつ薬で治療を開始した初発の非精神病性うつ病患者1,592例。調査項目は第一選択薬の継続と効果、第二選択薬の時期と種類、抗うつ薬治療の合計期間である。 主な結果は以下のとおり。 ・第一選択薬の開始用量および最大用量は、おおむねガイドラインで推奨されるとおりであった。しかし最大用量に関しては、推奨範囲の最小値に近い傾向が認められた。 ・第一選択薬の処方継続性は、ガイドラインの推奨を大きく下回っていた(初回処方での脱落率25%、3ヵ月以内の脱落率55%)。 ・第一選択薬にほかの向精神薬を追加投与した割合は14%(中央期間3ヵ月)、第一選択薬から他の抗うつ薬へ切り替えた割合は17%(中央期間2ヵ月)であった。 ・第二選択薬の選択は多岐にわたった。 ・抗うつ薬治療の合計時間は、中央期間4ヵ月と短かった。また、68%が6ヵ月で治療を中止していた。 ・健康保険データベースにおける非精神病性単極性うつ病の診断は、おおよそのものであるという点で、本研究には限界がある。 ・現在のガイドラインは、実臨床とは大いにかけ離れたものとなっている。こうしたなか、ガイドラインは実際の臨床の経験を反映する必要がある。 ・また、医療者は治療オプションを制限し、より効果的な治療を見極めて実践できるよう、エビデンスに基づいた比較効果研究が許されるべきである。 関連医療ニュース SSRI+非定型抗精神病薬の併用、抗うつ作用増強の可能性が示唆 日本人のうつ病予防に期待?葉酸の摂取量を増やすべき 統合失調症患者の服薬状況を検証 (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Furukawa TA, et al. J Affect Disord. 2013 May 27. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) CareNet AcademiaによるAI生成記事 このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] COVID-19患者の同居家族、エンシトレルビルで発症予防/NEJM(2026/05/22) 肥大型心筋症の長期予後予測、心臓MRIとNT-proBNPが有用/JAMA(2026/05/22) 40歳以上の一般住民における未診断の肝線維症発症頻度は推定1.6%;ヨーロッパ9ヵ国の国際前向きコホート研究(解説:相澤良夫氏)(2026/05/22) MCIからアルツハイマー病への進行率は? スクリーニングツールの精度は?(2026/05/22) 糖尿病患者の下痢・便秘に有効なビフィズス菌の種類は?(2026/05/22) 眼底写真を基にした「網膜年齢」が健康状態を知る手がかりに?(2026/05/22) 複数ドナー由来の細胞製剤追加で臍帯血移植に有望な結果(2026/05/22) 男性の生殖能力低下、一部のがんリスク上昇と関連(2026/05/22) 過剰な塩分摂取は男性の記憶力を低下させる?(2026/05/22)