バイポーラの躁症状に対するアリピプラゾールの位置付けは? 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2012/10/22 近年、わが国では双極性障害に適応を有する薬剤が次々と承認されている。従来、気分安定薬を中心とした薬剤が主流であったが、非定型抗精神病薬も使用可能となった。双極性障害患者の急性躁症状に対し、明確な薬理学的および副作用プロファイルを有するアリピプラゾールをどのように使用すべきだろうか。英国のDratcu氏らは、双極性障害患者の急性躁症状に対し、アリピプラゾールの豊富な使用経験を有する英国の医療専門家による委員会にて議論を行った。Int J Psychiatry Clin Pract誌2012年10月号の報告。 主な結果は以下のとおり。 ・アリピプラゾールは短期、長期にかかわらず、また単剤、気分安定薬との併用にかかわらず、適正に使用することで、双極性障害患者の躁症状に有効であるとの見解が一致した。 ・他の非定型抗精神病薬と異なり、アリピプラゾールの躁症状への効果は鎮静作用に関連していなかった。このことより、患者にとってとくに長期的なメリットが大きいと考えられる。 ・急速な鎮静が必要な場合には、ベンゾジアゼピン系薬剤の短期間併用が推奨される。 ・アリピプラゾールに関連しているほとんどの副作用は、最初の1~3週間以内に発現し、通常は一時的かつ簡便に治療可能である。 ・アリピプラゾールは、代謝系の副作用や性機能不全のリスク低下をもたらし、アドヒアランスを高め、臨床転帰を向上させることができる薬剤である。 ・良好な安全性・忍容性プロファイルを有するアリピプラゾールは、双極性障害患者の急性躁症状に対しファーストライン治療薬として推奨される。 関連医療ニュース ・アリピプラゾールが有用な双極性障害の患者像とは? ・うつ病の5人に1人が双極性障害、躁症状どう見つける? ・アリピプラゾールで患者満足度向上?! (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Dratcu L, et al. Int J Psychiatry Clin Pract. 2012 Oct; 16(4): 244-258. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 再発を伴わない二次性進行型多発性硬化症、tolebrutinibが障害進行リスク抑制/NEJM(2025/04/25) 米国出生率、中絶禁止導入州で上昇/JAMA(2025/04/25) 症状のない亜鉛欠乏症に注意、亜鉛欠乏症の診療指針改訂(2025/04/25) サブタイプ別転移乳がん患者の脳転移発生率、HER2低発現の影響は(2025/04/25) 2年間のフレマネズマブ治療の有効性および継続性〜国内単一施設観察研究(2025/04/25) 遺伝性アルツハイマーへのgantenerumab、発症リスク低下に有効か(2025/04/25) tenecteplase、脳梗塞治療でアルテプラーゼと同等の効果(2025/04/25) 低ホスファターゼ症の新たな歯科症状が明らかに―全国歯科調査(2025/04/25)