血液内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:21

ポロキサマー188、鎌状赤血球症の血管閉塞性疼痛改善せず/JAMA

 鎌状赤血球症の小児/成人患者における血管閉塞性の疼痛エピソードの治療では、ポロキサマー188はプラセボと比較して、非経口オピオイド鎮痛薬の最終投与までの期間を短縮しないことが、米国・ジョンズ・ホプキンズ大学のJames F. Casella氏らが行った「EPIC試験」で示された。研究の成果は、JAMA誌2021年4月20日号で報告された。  研究グループは、鎌状赤血球症患者における血管閉塞性の疼痛エピソードに対するポロキサマー188の有効性を再評価する目的で、国際的な二重盲検プラセボ対照無作為化第III相試験を実施した(米国・Mast Therapeutics, Inc.の助成による)。

貧血と不眠症~メタ解析

 最近、いくつかのゲノムワイド研究において、不眠症と貧血に共通の遺伝的要素が関連している可能性が示唆されている。米国・ペンシルベニア州立大学のSamantha N. Neumann氏らは、貧血を有する成人は、そうでない人と比較し、不眠症の有病率が高いかどうかを調査するため、横断的研究およびメタ解析を実施した。Chinese Medical Journal誌2020年12月21日号の報告。  対象は、進行中のコホート研究であるKailuan研究に参加した中国人成人1万2,614人。貧血の定義は、女性でヘモグロビンレベル12.0g/dL未満、男性で13.0g/dL未満とした。不眠症の評価には、アテネ不眠尺度(AIS)中国語版を用いた。不眠症の定義は、AIS総スコア6以上とした。貧血と不眠症との関連は、年齢、性別、慢性疾患の状態、血漿C反応タンパク質濃度などの潜在的な交絡因子で調整した後、ロジスティック回帰モデルを用いて評価した。成人集団における貧血と不眠症の関連を評価するため、本横断研究と以前実施した3つの横断研究の結果をプールし、固定効果モデルを用いて、メタ解析を実施した。

CLLに対するアカラブルチニブ、初回治療でも有効性示す

 2021年3月、再発・難治の慢性リンパ性白血病(CLL)に対して国内承認された選択的ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬アカラブルチニブ(商品名:カルケンス)について、CLL初回治療においても有効性が認められたという。オハイオ州立大学のJohn C Byrd氏らの研究によるもので、Blood誌2021年3月30日号オンライン版に掲載された。  CLLは白血病の中で、リンパ系幹細胞が比較的時間をかけてがん化するものを指す。日本においては10万人あたり0.2人(2008年調査)と比較的稀な疾患だ。現在、CLL初回治療として承認されたBTK阻害薬にイブルチニブがあるが、アカラブルチニブとは有害事象の出現の特性が異なるとされ、アカラブルチニブが承認されれば治療の選択肢が広がることとなる。

多発性骨髄腫、CRd療法でダラツムマブ追加の有効性確認/JAMA Oncol

 最近の研究によって、多発性骨髄腫の1次治療として、プロテアソーム阻害薬ボルテゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾンの3剤併用(VRd療法)にダラツムマブを追加することの有用性が確認されたが、プロテアソーム阻害薬をカルフィルゾミブに代えたCRd療法においても、ダラツムマブ追加の有効性が示されたという。米国・メモリアル・スローン・ケタリングがんセンターのOla Landgren氏らの非ランダム化MANHATTAN試験の結果によるもので、JAMA Oncology誌4月15日号オンライン版に掲載された。

腎性貧血に対するHIF-PH阻害薬モリデュスタットを発売/バイエル薬品

 バイエル薬品は、HIF-PH(低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素)阻害薬モリデュスタットナトリウム(商品名:マスーレッド)を腎性貧血治療薬として2021年4月22日に発売したと発表した。本剤は、保存期および透析期慢性腎臓病の主要な合併症の1つである腎性貧血に対して、1日1回の経口投与によりヘモグロビン値を管理できる腎性貧血治療薬。  本剤は、高地などで低酸素状態に適応する際の身体の生理的な反応を穏やかに活性化し、エリスロポエチンの産生を誘導して赤血球の産生を促進することにより、腎性貧血を改善する。錠剤の識別性の向上のため、両面に製品名や用量を印字している。

再発非ホジキンリンパ腫にcopanlisib+リツキシマブが有効/Lancet Oncol

 再発した非ホジキンリンパ腫患者を対象に、PI3K阻害薬であるcopanlisibとリツキシマブの併用療法の有効性と安全性を評価したCHRONOS-3試験の結果が、Lancet Oncology誌4月10日号オンライン版に掲載された。  CHRONOS-3は、世界186施設で行われた多施設共同、二重盲検、無作為化第III相試験。対象はPS2以下、1年以上無増悪かつ無治療、または化学療法不適の場合は6ヵ月以上無治療の成人再発非ホジキンリンパ腫患者で、copanlisib+リツキシマブ群とプラセボ+リツキシマブ群に無作為で割り付けられた。主要評価項目は、無増悪生存期間(PFS)だった。

寒冷凝集素症にsutimlimabは有効か?/NEJM

 寒冷凝集素症患者において、sutimlimabの投与によって古典的補体経路の活性化が選択的に上流で阻害され、速やかに溶血が停止し、ヘモグロビン値が上昇し、疲労が改善したことが示された。ドイツ・デュイスブルク・エッセン大学のAlexander Roth氏らが、sutimlimab静脈内投与の有効性および安全性を評価した26週間の多施設共同非盲検単群試験「CARDINAL試験」の結果を報告した。寒冷凝集素症は、古典的補体経路の活性化により引き起こされる溶血を特徴とする、まれな自己免疫性溶血性貧血で、現在、承認されている治療薬はない。sutimlimabは、活性化経路の第1段階にあるC1複合体に含まれるセリンプロテアーゼを標的としたヒト化モノクローナル抗体である。NEJM誌2021年4月8日号掲載の報告。

FDA、再発・難治多発性骨髄腫に対するイサツキシマブのカルフィルゾミブ・デキサメタゾンとの併用を承認 /サノフィ

 サノフィは、2021年3月31日、米国食品医薬品局(FDA)が前治療歴が1~3の再発又は難治性多発性骨髄腫の成人患者に対してカルフィルゾミブ・デキサメタゾン併用療法に追加する医薬品としてイサツキシマブ(商品名:サークリサ)を承認したと発表。  イサツキシマブはすでに、レナリドミドとプロテアソーム阻害薬を含む2レジメン以上の前治療歴を有する再発・難治多発性骨髄腫の成人患者に対して、ポマリドミド・デキサメタゾン併用療法に追加して用いる医薬品として承認されている。

ポラツズマブ べドチン、再発・難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対する承認取得/中外

 中外製薬は、抗CD79bを標的とする抗体薬物複合体であるポラツズマブ べドチン(商品名:ポライビー)が、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対する承認を得たことを発表した。今回の承認は、自家造血幹細胞移植の適応とならない再発または難治性DLBCL患者の初回治療として、ポラツズマブ べドチンとベンダムスチン+リツキシマブ(BR療法)との併用療法としてのものとなる。DLBCLは悪性リンパ腫の一種で、リンパ球の中のB細胞から発生する非ホジキンリンパ腫としては最も発生頻度が高い。