産婦人科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:39

ddTC療法、上皮性卵巣がんの1次治療でPFS改善せず/Lancet

 上皮性卵巣がん患者の1次治療において、毎週投与を行うdose-dense化学療法は施行可能であるが、標準的な3週ごとの化学療法に比べ無増悪生存期間を改善しないことが、英国・マンチェスター大学のAndrew R. Clamp氏らが行った「ICON8試験」で示された。研究の詳細は、Lancet誌2019年12月7日号に掲載された。上皮性卵巣がんの標準的1次治療は、従来、カルボプラチン+パクリタキセルの3週ごとの投与とされる。一方、日本のJGOG3016試験では、dose-dense weekly PTX+3-weekly CBDCAにより、PFSと全生存がいずれも有意に改善したと報告されている。

後期早産・妊娠高血圧腎症妊婦は即時分娩・待機ともに一長一短、新生児の長期予後には注意が必要(解説:前田裕斗氏)-1151

妊娠高血圧腎症(Pre-eclampsia)を発症した妊婦の至適分娩時期の決定においては、胎児の未熟性と母体合併症(脳血管障害や肝・腎機能障害)のバランスをとる必要に迫られる。34週0日〜妊娠36週6日までのLate-pretermと呼称される時期では胎児臓器が一通りできていることから重症妊娠高血圧腎症の妊婦については即時分娩が望ましいと考えられ、実際に多くの先行文献で確かめられてきた。今回の論文は重症の徴候がない妊娠高血圧腎症(臓器障害がなく血圧が160/110mmHgを上回らない)の妊婦について即時分娩と待機方針を比較したRCTである。主要エンドポイントは母体・新生児ともに合併症の複合アウトカムであり、詳細は別記事を参照されたい。

早発閉経、心血管疾患リスク増大の可能性/JAMA

 閉経後女性のうち、40歳になる前に早期の自然閉経/外科的閉経を経験した女性は、40歳以降に閉経した女性に比べ心血管疾患のリスクが、小さいとはいえ統計学的に有意に増加することが、米国・ハーバード大学医学大学院のMichael C. Honigberg氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2019年11月18日号に掲載された。最近のガイドラインでは、中年女性におけるアテローム性動脈硬化に基づく心血管疾患リスク評価の改善策として、40歳以前での閉経歴を考慮することが推奨されているが、確固としたデータはないという。

低リスク妊娠、第3期のルーチン超音波は周産期予後を改善せず(解説:前田裕斗氏)-1152

低リスク単胎妊娠において、妊娠第3期にルーチンで超音波検査を行うことで重度有害周産期アウトカムを減少できるかどうかをみたRCTである。研究理解のためにはまず日本との違いを押さえることが必要だ。本研究の通常診療群では毎回子宮底長測定のみを行い、臨床的に必要と判断された場合のみ超音波検査を行い、介入群では28~30週、34~36週の間に1回ずつ計2回の超音波検査を追加している。一方日本では28~36週まで2週間ごと、37週以降は1週間ごとに健診を行う。健診ごとに毎回超音波検査を行う施設も多い。健診回数や毎回超音波検査が有害アウトカムを減らす確固たるエビデンスはないが、4回を下回る健診回数では周産期死亡率が増えるとコクランのSystematic Reviewでは報告されている。

初潮や出産年齢と乳がん患者の死亡リスク:日本人前向きコホート

 初潮、閉経、出産など女性の生殖要因は乳がんの発症だけでなく、進行や生存率とも関連する可能性があるが、そのエビデンスは限られている。東北大学の南 優子氏らは、日本人乳がん患者における生殖要因と、腫瘍特性や生存率の関連を前向きに検討した。Breast Cancer誌2019年11月号の報告より。  1997年から2013年の間に日本の単施設で乳がんと診断された患者1,468例を対象として、生殖要因と腫瘍特性、生存率の関連が分析された。2016年までの追跡期間中央値8.6年において、全死因死亡272例、乳がんによる死亡199例が報告されている。

若い女性の座っている時間とうつ病との関連

 身体活動(PA)の不足や長時間の座りっ放し(sitting time:ST)は、死亡率やうつ病などの慢性疾患リスクの増加と関連している。2つのリスクは独立しているともいわれているが、それらの連合効果や層別効果はよくわかっていない。オーストラリア・クイーンズランド工科大学のT. G. Pavey氏らは、若年女性におけるうつ症状のリスクと12年間に及ぶPAやSTの複合効果について調査を行った。Journal of Science and Medicine in Sport誌2019年10月号の報告。

大腸がん以外のMSI-Hがんに対するペムブロリズマブの横断的成績(KEYNOTE-158)/JCO

 ペムブロリズマブはMSI-High(MSI-H)進行がんに対して抗腫瘍活性を示し、わが国でも2018年12月に承認されている。大腸がん以外の既治療のMSI-H進行がんに対するペムブロリズマブの第II相KEYNOTE-158試験の結果が発表された。Journal of Clinical Oncology誌2019年11月4日号掲載の報告。 対象:大腸がん以外の既治療のMSI-H進行がん 介入:ペムブロリズマブ200㎎/日3週ごと、病勢進行あるいは忍容できない有害事象などで投与中止となるまで投与(最長2年間) 評価項目:独立中央放射線画像判定委員会評価による全奏効率(ORR)

早産児、主要併存疾患なし生存の割合は?/JAMA

 スウェーデンにおいて、1973~97年に生まれた早産児のほとんどは、成人期初期から中年期まで主要併存疾患を伴わず生存していたが、超早産児については予後不良であった。米国・マウントサイナイ医科大学のCasey Crump氏らが、スウェーデンのコホート研究の結果を報告した。早産は、成人期における心代謝疾患、呼吸器疾患および神経精神障害との関連が示唆されてきたが、主要併存疾患を有さない生存者の割合については、これまで不明であった。JAMA誌2019年10月22日号掲載の報告。

卵巣がん、オラパリブ+ベバシズマブ維持療法の第III相試験(PAOLA-1/ENGOT-ov2)/ESMO2019

 フランス・レオンベラールセンターのIsabelle Ray-Coquard氏は、進行卵巣がんでプラチナ製剤+タキサン系抗がん剤+ベバシズマブでの1次治療が奏効した患者に対するPARP阻害薬オラパリブとベバシズマブの併用とベバシズマブ単剤での維持療法を比較した第III相PAOLA-1(ENGOT-ov2)試験の結果を発表。オラパリブ・ベバシズマブ併用はベバシズマブ単剤と比較して無増悪生存期間(PFS)を有意に延長すると報告した。PAOLA-1(ENGOT-ov2)は無作為化二重盲検比較。

ペムブロリズマブのMSI-High固形がんに対する第II相試験(KEYNOTE-164、158統合解析)/ESMO2019

 米メモリアル・スローン・ケタリングがんセンター固形がん腫瘍学部門のLuis Diaz氏は、局所進行・転移のあるミスマッチ修復(MMR)欠損または高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形がんに対するペムブロリズマブの第II相試験KEYNOTE-164とKEYNOTE-158の統合解析結果を欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で発表。MMR欠損またはMSI-Highを有する固形がんでは、がん種にかかわらずペムブロリズマブが安定した効果を示し、安全性も管理可能なものであると述べた。