消化器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:154

ピロリ除菌治療に成功した人、1年後の再感染率は11.5%/JAMA

 ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌治療後に陰性が確認できた人について、1年後に再感染している割合は11.5%であることが、ラテンアメリカ6ヵ国(7地域)で行った試験で明らかになった。米国・Vanderbilt大学のDouglas R. Morgan氏らが、ピロリ菌の除菌治療を行った1,500人弱を追跡した結果、報告したもので、JAMA誌2013年2月13日号で発表した。

大腸3D-CT検査(CTC)vs. 内視鏡検査、CTCは内視鏡検査に代わりうる:SIGGAR/Lancet

 大腸がんの診断法として注目される大腸3D-CT検査(CT Colonography:CTC)について、大腸内視鏡検査との比較が、英国・Imperial College LondonのWendy Atkin氏らによる多施設共同無作為化試験SIGGARにて行われた。大腸内視鏡検査は大腸がんが疑われる症例を検討する診断法としてはゴールドスタンダードとなっている。一方で、CTCは、代替となりうるより侵襲性の低い検査法であるが、検査後の診断確定のための追加の検査が必須となっている。しかしこのことが、CTCが内視鏡検査に代わりうる可能性を証明する重要な要素であるとして、実践されているCTC+追加検査と内視鏡単独検査の大腸がんまたは≧10mmポリープの診断精度について比較を行った。Lancet誌オンライン版2013年2月14日号掲載より。

〔CLEAR! ジャーナル四天王(59)〕 ラテンアメリカ7地域におけるピロリ除菌成功後の高率な“再感染”

 今回の米国からの報告は、除菌治療後、尿素呼気試験(UBT)による判定でピロリ菌が陰性化した例を対象として、1年後の再陽性化率とそのリスクを検討したものである。2009年から2011年に6ヵ国(7地域)で行われた除菌治療試験(RCT)に参加し、除菌に成功(UBT陰性化)した1,463例を対象としたコホート研究であるが、UBTを指標とした再感染率は11.5%と高率であった。さらに、コロンビアやチリにおいて施行された試験、対象を初回治療に限定した試験、子供と同居している人を対象とした試験で有意に高い再感染率を示した。

大腸3D-CT検査(CTC)vs. バリウム注腸、CTCのほうが感度が高い:SIGGAR/Lancet

 大腸がんの診断法としての大腸3D-CT検査(CT Colonography:CTC)について、バリウム注腸造影検査よりも、がん病変や≧10mmポリープの検出能が有意に高いことが、英国・University College LondonのSteve Halligan氏らによる多施設共同無作為化試験SIGGARの結果、報告された。バリウム注腸は大腸がんの診断で広く用いられているが、診断精度や被検者の受容性に対する懸念が示されている。CTCはバリウム注腸と比べると新しい大腸X線検査法で、検出能の感度が高いと考えられ、患者も好むことが試験によって示されているが、これまでCTCをバリウム注腸に代わる診断法とすべきかについて保健政策に反映するような無作為化試験は行われていなかったという。Lancet誌オンライン版2013年2月14日号掲載より。

脂肪肝患者では大腸がんの肝転移が少ない!?

 脂肪肝と大腸がんはどちらもメタボリックシンドロームと関連する疾患である。肝臓は大腸がんの遠隔転移が最も多い部位だが、大腸がんの肝転移に脂肪肝が影響するかどうかは明確にされていない。  今回、東京大学腫瘍外科の室野浩司氏らは、大腸がんの肝転移と脂肪肝の有無との関連について検討した結果、脂肪肝患者のほうが肝転移が少なく、脂肪肝が肝転移の形成に不利な微小環境である可能性を報告した。また、肥満ではない脂肪肝患者では肝転移が少なく、肥満患者では有意差がなかったことから、肥満による脂肪肝とは異なり、がん細胞に対する防御反応として脂肪肝になるのかもしれないと考察している。International Journal of Colorectal Disease誌オンライン版2013年2月8日号に掲載。

難治性の慢性特発性蕁麻疹患者、ピロリ菌除菌療法で約3割が症状消失

 抗ヒスタミン薬が無効の慢性特発性蕁麻疹(CU)患者について、ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori、以下 ピロリ菌)感染症の除菌療法がベネフィットをもたらす可能性が、イスラエルのネゲヴ・ベン=グリオン大学のE. Magen氏らによる検討の結果、報告された。British Journal of Dermatology誌オンライン版2013年1月21日号の掲載報告。

〔CLEAR! ジャーナル四天王(51)〕 ピロリ菌除菌―4剤逐次療法が標準的3剤併用除菌療法より良好!

 日本ヘリコバクター学会によるガイドラインでは、H. pylori(ピロリ菌)感染が関与する疾患を『ピロリ感染症』と称してすべての疾患に対する除菌治療が推奨されていたが、今回、ピロリ菌感染胃炎に対する除菌治療が承認され、わが国でも除菌治療の保険適用患者が大幅に増加することとなった。