消化器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

IBDの自己管理、「病気の捉え方」が鍵に

 炎症性腸疾患(IBD)患者では、疾患認識とセルフマネジメント行動との間に有意な負の関連が認められるという研究結果が、「Scientific Reports」に6月16日掲載された。  重慶医科大学附属第一医院(中国)のRonghua Wang氏らは、2023年6月~2025年6月に登録されたIBD患者326人を対象に、疾患認識とセルフマネジメント行動との関連における健康不安の媒介効果を検討した。  その結果、Brief Illness Perception Questionnaire(BIPQ)、Short Health Anxiety Inventory(SHAI)、IBD Self-Management Behavior Scaleの平均スコアは、それぞれ47.31、28.89、67.79であった。

若年発症大腸がんリスクに関連する特性が明らかに

 人口統計学的特性、出生時の特性、および親の特性が若年発症大腸がん(early-onset colorectal cancer;EOCRC)のリスクと関連するという研究結果が、「Cancer」に6月22日掲載された。  米イェール大学公衆衛生大学院のSunny Siddique氏らは、1988~2021年に米カリフォルニア州で出生し、0~39歳でEOCRCと診断された1,221人と、出生年で頻度マッチングさせた対照6万1,050人を対象に、人口統計学的特性、出生時の特性、および親の特性とEOCRCリスクとの関連を検討した。

加糖飲料の毎日の摂取は胃がんのリスク上昇と関連

 加糖飲料(sugar-sweetened beverage;SSB)が悪影響を及ぼすのは歯だけではないようだ。新たな研究で、SSBを1日1サービング(約237mL)超摂取する人の胃がんの発症リスクは、SSBをほとんど摂取しない人の約2.5倍である可能性が示された。米マス・ジェネラル・ブリガムがん研究所のAndrew Chan氏らによる研究で、詳細は8月17日付で「Gastro Hep Advances」に掲載された。  Chan氏は、「米国人を対象に、SSBの摂取と胃がんとの関連を示した研究は、われわれが知る限り今回が初めてである。胃がんは世界でがんによる死亡原因の第5位だが、食事が胃がんの発症にどう関与するのかについては、これまでほとんど分かっていなかった」と述べている。

胃がん周術期、デュルバルマブ+FLOTでOS改善(MATTERHORN最終解析)/Lancet

 米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのYelena Y. Janjigian氏らMATTERHORN investigatorsは、切除可能な胃または胃食道接合部腺がん患者を対象とした「MATTERHORN試験」の全生存期間(OS)に関する最終解析結果を報告し、周術期デュルバルマブ+FLOT(フルオロウラシル、ロイコボリン、オキサリプラチン、ドセタキセル)療法により、プラセボ+FLOT療法と比較しOSの有意な改善が認められたことを示した。周術期FLOT療法とデュルバルマブの併用は、切除可能な胃または胃食道接合部腺がん患者において無イベント生存期間(EFS)および病理学的完全奏効率を改善することが報告されていた。Lancet誌オンライン版2026年9月9日号掲載の報告。

重度腹膜転移を伴う進行胃がん、mFOLFOX6は選択肢か

腹腔全体に及ぶ大量腹水や輸液補助を要する経口摂取不良を伴う重度腹膜転移を有する進行胃がん患者は、主要な臨床試験から除外されてきた。そこで、愛知県がんセンター薬物療法部の舛石 俊樹氏らは、重度腹膜転移を有するHER2陰性・化学療法未治療の進行胃がん患者を対象に、mFOLFOX6療法を評価する第II相試験「WJOG10517G」を実施した。その結果、mFOLFOX6療法は忍容可能で、治療選択肢となりうることが示された。本研究結果は、Gastric Cancer誌オンライン版2026年8月27日号に掲載された。

T-DXd関連ILD、日本人の胃がん・乳がん患者で死亡例に多い所見は?

トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)に関連する間質性肺疾患(ILD)/肺臓炎は、治療継続や生命予後に関わる重要な有害事象である。そこで、愛知県がんセンター呼吸器内科の藤原 豊氏らは、日本人の乳がんおよび胃がん患者を対象とした市販後全例調査のデータを用いて、独立したILD判定委員会により判定されたT-DXd関連ILDの臨床的・画像的特徴を検討した。その結果、多くは軽度~中等度で副腎皮質ステロイドに反応した一方、びまん性肺胞傷害(DAD)パターンは死亡例に多くみられた。本研究結果は、The Oncologist誌オンライン版2026年9月7日号に掲載された。

MASHへのセマグルチド、日本人でも有効性示す/ESSENCE試験サブグループ解析

代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)では、肝線維化の進展抑制や脂肪肝炎の改善を目指した薬物治療の確立が課題となっている。そこで、国際医療福祉大学 消化器内科統括教授の中島 淳氏らは、第III相ESSENCE試験のサブグループ解析として、MASHを有する日本人参加者におけるセマグルチドの有効性と安全性を検討した。その結果、日本人集団において、セマグルチドは肝線維化の悪化を伴わないMASHの消失などの達成割合をプラセボより高め、全体集団と方向性が一致した有効性と安全性を示した。本研究結果は、Journal of Gastroenterology誌オンライン版2026年8月28日号に掲載された。

ピロリ菌感染、胆道がんや膵がんリスクとの関連は/愛知県がんセンターほか

胃がんの確立したリスク因子であるHelicobacter pylori(H. pylori)感染は、胆道がん(BTC)や膵がん(PC)にも関与する可能性が指摘されているが、これまでのエビデンスは一貫していない。また、生殖細胞系列病的バリアントがH. pylori感染と胃がんリスクとの関連を修飾する可能性がある一方、BTCやPCでの役割は明らかではない。そこで、愛知県がんセンター研究所の山本 清花氏らは、日本人集団を対象に、遺伝的感受性や生活習慣因子を考慮してH. pylori感染とBTCおよびPCリスクとの関連を検討した。その結果、BTCリスクとの有意な関連は認められなかったが、PCではH. pylori感染指標とリスクの関連が、発生部位によって異なる可能性が示された。本研究結果は、International Journal of Cancer誌オンライン版2026年7月14日号に掲載された。

胃がん前がん病変、サブタイプ別の進行率~メタ解析

胃の腸上皮化生(IM)および異形成は胃がんの前がん病変とされるが、サブタイプ別の有病率や胃がんへの進行リスクについては十分に整理されていない。そこで、米国・Weill Cornell Medical College of Cornell UniversityのYende Grell氏らは、IMおよび異形成のサブタイプ別の有病率や胃がんへの進行リスクを、世界的なデータを用いてシステマティックレビューおよびメタ解析で検討した。その結果、不完全型IMおよび高異型度異形成(HGD)では、対応するほかのサブタイプと比べて胃がんへの進行率が高かった。本研究結果は、Clinical Gastroenterology and Hepatology誌オンライン版2026年9月1日号に掲載された。

骨盤リンパ節郭清のAI支援、医師の認識能を向上/国立がん研究センター、Jmees

 骨盤リンパ節郭清においてAIによる支援は外科医の重要な解剖学的構造の認識を向上させることがわかった。  骨盤リンパ節郭清は、大腸がんや子宮頸がん、前立腺がん、膀胱がんなどの手術において、がんのリンパ節転移の確認とともに、転移のあるリンパ節を切除し再発を防ぐ重要な手術手技である。しかし、骨盤内には血管、神経、尿管などの重要な臓器および組織が存在しており、これらを損傷すると重大な合併症につながる可能性がある。そのため、手術には高度な解剖学的知識と技術が求められる。