皮膚科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

GLP-1受容体作動薬、自己免疫疾患患者の死亡・血栓リスク低下と関連

 肥満を伴う関節リウマチ、乾癬性関節炎、炎症性腸疾患などの自己免疫疾患の患者の中で、GLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)が処方されている人は、死亡リスクや血栓症のリスクが低いという研究結果が報告された。米フロリダ大学のAmy Sheer氏らが、フロリダ州などの3州にある14の医療機関の電子カルテ情報を用いて検討したもので、詳細は6月6日付で「Journal of the American Heart Association(JAHA)」に掲載された。  GLP-1RAは、2型糖尿病の血糖管理のほかに減量目的でも用いられている。肥満では、全身性の慢性炎症や血管内皮機能の低下により血栓が形成されやすいことが知られていて、また自己免疫疾患も炎症反応を強めるために、肥満を伴う自己免疫疾患患者では、心血管イベントや血栓イベントのリスクが高いと考えられている。

男性は女性より進行がんで診断されやすい

 がんによる死亡率は女性よりも男性の方が高いが、その理由の一端を説明し得る新たな研究結果が報告された。同研究によると、男性は女性と比べてがんが最初に発生した部位(原発巣)から近傍のリンパ節や他臓器へ広がった段階でがんと診断される可能性が高いことが明らかになったという。この研究は、米国立がん研究所(NCI)のBeth Maclin氏らによるもので、詳細は「Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention」7月号に掲載された。  この結果は、男性ではがんの発見が遅れ、治療がより困難で死亡につながりやすい段階で診断されることを意味していると研究グループは指摘している。

アトピー性皮膚炎への抗ヒスタミン薬、ルーチン使用を支持せず/BMJ

 アトピー性皮膚炎患者において、ヒスタミンH1受容体拮抗薬(抗ヒスタミン薬)の追加投与は、重症度およびかゆみについて臨床的に意義のある改善には至らない可能性があり、睡眠障害やアトピー性皮膚炎の増悪も軽減しないことが示唆された。また、第1世代の同薬剤は認知機能障害の増加および有害事象による治療中断を増加させる可能性があり、第2世代の同薬剤では認知機能障害リスクに差異があることも示された。カナダ・マクマスター大学のAlexandro W.L. Chu氏らが無作為化試験のシステマティックレビューおよびネットワークメタ解析の結果を報告した。

軽症~重症の成人アトピーへのデルゴシチニブクリーム、用量反応的な有効性を示す/BJD

 アトピー性皮膚炎(AD)患者において、0.5%デルゴシチニブ軟膏は基剤軟膏と比較して有効性の改善をもたらし、良好な安全性プロファイルを示している。米国・ジョージ・ワシントン大学のJonathan I. Silverberg氏らは、軽症から重症の成人AD患者を対象に、デルゴシチニブの用量反応関係、有効性、および安全性を検討した二重盲検基剤対照第IIb相試験を実施。結果を、British Journal of Dermatology誌オンライン版2026年7月22日号に報告した。

日本におけるVZV髄膜炎発生率、12年で3倍超に

 日本における水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)髄膜炎の発生率は、過去12年間で3倍超に増加していることが、東京大学の山形 直毅氏らによる研究で明らかになった。一方で、大多数の患者はアシクロビルの長期静注療法により治療され、退院時には転帰が良好であったことも示されている。Journal of the Neurological Sciences誌2026年9月15日号掲載の報告より。  本研究では、2011年4月~2023年3月にVZV髄膜炎と診断された1,680例を、日本の全国入院患者データベースであるDPCデータを用いて特定した。

GLP-1受容体作動薬、脱毛症リスクは高いか/BMJ

 GLP-1受容体作動薬の潜在的な有害作用として、脱毛(脱毛症)が市販後調査により報告されている。米国・ペンシルベニア大学のHuilin Tang氏らは、2型糖尿病患者では、GLP-1受容体作動薬の使用はSGLT2阻害薬やDPP-4阻害薬と比較して、臨床的に記録された脱毛症、とくに非瘢痕性脱毛症のリスク上昇と関連することを示した。研究の成果は、BMJ誌2026年7月22日号に掲載された。  研究グループは、2型糖尿病患者におけるGLP-1受容体作動薬の脱毛症リスクを評価する目的で標的試験エミュレーション(target trial emulation)を行った(米国国立衛生研究所[NIH]などの助成を受けた)。

認知症リスクを考慮した帯状疱疹ワクチン、最適なタイミングは

 これまでの観察研究において、帯状疱疹ワクチン接種と認知症との間に予防的な関連があることが報告されている。しかし、これらの研究には方法論的な限界がある、あるいは米国では現在利用できない生ワクチンが対象となっていた。米国・Brown UniversityのKaleen N. Hayes氏らは、亜急性期ケアまたは長期ケアを目的として専門看護施設に最近入所した高齢者を対象に、入所後12ヵ月以内または退所後の遺伝子組み換え帯状疱疹ワクチン接種(RZV)と認知症との関連を推定するため、本研究を実施した。Annals of Internal Medicine誌7月号の報告。

高用量ビタミンDでがん治療関連皮膚障害が改善する可能性

 化学療法や放射線療法に伴う皮膚障害は、疼痛や灼熱感、紅斑などによって患者のQOLを大きく低下させるだけでなく、抗がん治療の減量や中断の原因となる。今回、高用量ビタミンD内服により、化学療法・放射線療法関連皮膚障害が改善する可能性が示された。イリノイ大学(米国)のMihir K. Patil氏らによる本研究結果は、JAMA Dermatology誌オンライン版2026年7月15日号に掲載された。  本研究は2021年12月~2024年1月に米国の3つの医療機関で実施された後ろ向きケースシリーズだった。対象は化学療法誘発性紅斑(toxic erythema of chemotherapy:TEC)または急性放射線皮膚炎(acute radiation dermatitis:ARD)に対して高用量ビタミンDを投与され、10日間以上の追跡が可能であった33例だった。

帯状疱疹ワクチンは動脈硬化性疾患患者の主要心血管イベントリスク低下と関連

 動脈硬化性疾患(ASCVD)と診断された50歳以上の成人において、帯状疱疹(HZ)ワクチンの接種は、主要心血管イベント(MACE)およびその他の心血管アウトカムのリスク低下と関連するという研究結果が、米国心臓病学会年次総会(ACC.26、3月28~30日、米ニューオーリンズ)で発表された。  米カリフォルニア大学リバーサイド校のRobert Nguyen氏とAditya Desai氏は、米国のTriNetXデータベースを用い、2018年1月1日~2024年1月1日にASCVDと診断された50歳以上の成人を対象とした後ろ向きコホート研究を実施し、この集団において帯状疱疹ワクチン接種が心血管リスクを低減するかどうかを検討した。

帯状疱疹、感染部位も認知症リスクに影響する可能性/日本皮膚科学会

 近年、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の罹患が認知症の発症リスクを上昇させる可能性や、帯状疱疹ワクチンの接種がそのリスクを低減させる可能性を示す研究が相次いで報告されている。下畑 享良氏(岐阜大学)らは、「VZVの罹患は認知症の危険因子か?」という臨床疑問を検討することを目的に、21論文を対象としてスコーピングレビューを実施。このレビューからみえてきたVZV罹患と認知症発症の関連や、ワクチンが及ぼす影響などについて、最新の研究結果も踏まえて下畑氏が第125回日本皮膚科学会総会で講演した。