日本は世界的にみて高齢者の溺死率がきわめて高く、その主な要因は家庭での入浴習慣にある。とくに入浴中の死亡は冬場にピークを迎えるが、全国規模での外気温の影響や、特定の「ハイリスク日」については十分に検討されていなかった。奈良県立医科大学の田井 義彬氏らの研究グループは、全国の26年間のデータを解析した結果、浴槽内溺死リスクの季節性の影響のうち約80%が外気温の影響であり、元日や大晦日にとくにリスクが上昇することを明らかにした。Environmental Health and Preventive Medicine誌2025年号に掲載。
本研究では、1995〜2020年の死亡診断書に基づく住宅での浴槽内溺死データ(ICD-10コードW65)9万9,930件を用いて、全国47都道府県を対象とした時系列解析を実施した。