第4回 安すぎる名著【Dr.倉原の“俺の本棚”】

  • 公開日:2018/04/10
企画・制作ケアネット

ほかのドクターがどんな本を読んでいるのか、気になりませんか?CareNet.com “おどろき”医学論文が好評の呼吸器内科医 倉原優氏が、自身の本棚から「これは!」とウナる本を毎月1冊ピックアップ。思わず読みたくなる“医書”を紹介します。

※紹介する書籍は倉原氏個人の選書です。ケアネットが推薦するものではありません。

【第4回】安すぎる名著

こんにちは倉原です。チャラ書評、ウザ書評という新しい分野を開拓している最近です。

「倉原先生、 “この先生の本だったら読んでみたい!”っていうドクターいませんか?」と聞かれて、一時期「萩野先生ですね」とルーチンで返していた時期があります。そんな私の迷惑発言と関係しているのかどうかは不明ですが、Dr.ハギーこと萩野 昇先生の本が刊行されました。ちなみに萩野先生の名前を“荻”野先生と間違うと、漏れなくFacebookにアップされるのでみなさん注意してください。

『ロジックで進めるリウマチ・膠原病診療』

萩野 昇/著. 医学書院. 2018

通読した感想を述べましょう。

あまりにも、安すぎる。

何考えてんだ、医学書院! (←冗談なので怒らないでくださいね)

この本は、リウマトロジストのための専門書というよりも、広く内科を診る医師向けに書かれたものです。しかし、その内容は恐ろしいほど濃厚です。内科医にとっては、「ステロイドの使い方」は必読の章。プレドニゾロンが増量されるに連れ、どういう作用が台頭してくるのか、なぜステロイドパルス療法がメチルプレドニゾロンなのか、などが解説されています。この本を読んで、ちょっと自身のプラクティスを見直そうかと思いました。

私は「勉強になったなぁ」と思うところに蛍光ペンでマーカーを付けるのですが、1ページの半分以上がマーカーになってしまっていることに気付き、この本のヤバさに気が付きました。このままでは、この本だけで蛍光ペンのインクがなくなってしまう!

この本の至る所に注釈が加えられているですが、その多くは「Huggy’s Memo」というミニコラムです。1つだけ紹介しましょう。プロフェッショナルのリウマトロジストが書いた、こんなよもやま話がほぼ全ページにびっしり書き込まれているんですよ。

Huggy’s Memo

※“palpable purpura”を「Lは舌先を硬口蓋につけて、Rは舌先を歯根部に近づけるが接しない」ことを意識して発音すると、舌が痙攣しそうになる。

私、研修医のときpalpable purpuraの症例をローレンス・ティアニー先生の前で発表したことがあるのですが、関根 勤さんのジャイアント馬場のモノマネみたいな発音を20回くらい修正されたのを思い出します。

萩野先生には、お互い仮面ライダービルドファンとしてFacebookで絡んでいただいているのですが、毎度毎度、選ぶ言葉のセンスに心動かされています。あの先生が医学書を書いたら、とんでもない出来になるんだろうなぁと思っていたら、予想を超える逸品が出てきました。

膠原病の分野は、出版医学書が多くありません。そのため、その初動に悩んでいる医師も多くいると思います。この本、2倍の値段の7,600円でも買いですよ。

『ロジックで進めるリウマチ・膠原病診療』

萩野 昇/著
出版社名
医学書院
定価
本体3,800円+税
サイズ
B5版
刊行年
2018年

 

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倉原 優 ( くらはら ゆう ) 氏近畿中央呼吸器センター

[略歴]

2006年滋賀医大卒業。洛和会音羽病院を経て08年から現職。

自身のブログ「呼吸器内科医」では医学論文の和訳や医療エッセーを執筆。

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