第3回 わが青春の研修医マンガ【Dr.倉原の“俺の本棚”】

  • 公開日:2018/03/13
企画・制作ケアネット

ほかのドクターがどんな本を読んでいるのか、気になりませんか?CareNet.com “おどろき”医学論文が好評の呼吸器内科医 倉原優氏が、自身の本棚から「これは!」とウナる本を毎月1冊ピックアップ。思わず読みたくなる“医書”を紹介します。

※紹介する書籍は倉原氏個人の選書です。ケアネットが推薦するものではありません。

【第3回】わが青春の研修医マンガ

私は真面目そうに見えて、実はマンガをめちゃくちゃ読みます。王道の『キングダム』(集英社)から、知る人ぞ知る『鉄拳チンミ』(講談社)まで、ありとあらゆるマンガを読んでいます。もちろん格闘マンガだけじゃありませんよ、最近のオススメは『BLUE GIANT』(小学館)です。

いかん、マンガの話になると10万字くらいになってしまう。一応このコラム、1,000字くらいにしてくれって言われているんですよ。

さて、そんなマンガフリークの私、当然ながら「医療系マンガ」と呼ばれるものもほぼすべて読破しています。その中でも、今の若いモンはあんまり知らんじゃろ、というマンガを紹介したいと思います。

『研修医 なな子』 (YOU漫画文庫)

森本 梢子/著. 集英社. 1997-2000

1990年代に連載されていたマンガなので、私みたいな30代のオッサンドクターはこのマンガを読んだことがあるかもしれません。数ある医療系マンガの中で、こんなに心穏やかになれる作品はないと思っています。『ごくせん』(集英社)で有名になった、森本先生の初期作品です。

医療系マンガは、『医龍』(小学館)、『ゴッドハンド輝』(講談社)、『ブラック・ジャック』(秋田書店)みたいに外科医にスポットライトを当てた作品が多いのですが、『研修医 なな子』はその名のとおり、ヒヨッコ研修医が成長する過程を描いたものです。『ブラックジャックによろしく』(講談社)もスーパーローテート研修を受ける研修医が主人公ですが、作風が180°違います。

『研修医 なな子』はどちらかといえば少女漫画のタッチで、クールなイケメン指導医が出てきたり、ドタバタ恋愛劇があったり、ベタな少女漫画のような展開もあります。しかし、なんだろう、この心温まる展開は。『ブラックジャックによろしく』はサスペンス調なシーンが多くハラハラするのと対照的に、『研修医 なな子』はとにかく優しい作風に仕上がっています。そのため、医学生のころはこのマンガを読んで、「早く臨床実習が始まらないかな」とワクワクしていました。

当時付き合っていた彼女と、このマンガを奪い合うようにして読んでいたなぁ。しみじみ。ああ、あのころに戻りたい…(遠い目)。

今でも、医学部に行きたいという高校生には、このマンガを薦めています。また、「面白い医療系のマンガないですか?」とドクターに聞かれたときにも、『研修医 なな子』のことを知らない人が多いので、間違いなく高評価が得られるであろうこの作品を薦めています。「めちゃくちゃ面白かった」という感想が聞けたとき、私の医学生時代の青春が肯定されたような、くすぐったい気持ちになるからという理由もあります。

文庫版で全4巻ですから、気合を入れて長々と読む必要もありません。デジタル版であれば、3,000円くらいで読破できるものもありますので、ちょっと時間があるときに読み進めてみてはいかがでしょうか?

『研修医 なな子』全4巻(YOU漫画文庫)

森本 梢子/著
出版社名
集英社
定価
本体495円+税(1・2巻)、571円+税(3・4巻)
サイズ
文庫判
刊行年
1997年(1・2巻)、2000年(3・4巻)

倉原 優 ( くらはら ゆう ) 氏近畿中央呼吸器センター

[略歴]

2006年滋賀医大卒業。洛和会音羽病院を経て08年から現職。

自身のブログ「呼吸器内科医」では医学論文の和訳や医療エッセーを執筆。

糖尿病診療コレクション

掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。)
本コンテンツに関する下記情報は掲載当時のものです。
[データ、掲載内容、出演/監修者等の所属先や肩書、提供先の企業/団体名やリンクなど]