呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:95

オミクロンvs.デルタ、ワクチン接種・感染歴・年齢別の入院・死亡リスク/Lancet

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染後の重症アウトカムのリスクについて、デルタ変異株(B.1.617.2)よりもオミクロン変異株(B.1.1.529)で大幅に低く、オミクロン変異株ではより重症度の高いエンドポイント発生が大きく低下しており、年齢間のばらつきは顕著であることなどが、英国・ケンブリッジ大学のTommy Nyberg氏らによる検討で示された。オミクロン変異株は部分的なワクチンエスケープと、高い感染性が示されているが、早期の試験でデルタ変異株よりも重症化リスクは低いことが示唆されていた。Lancet誌オンライン版2022年3月16日号掲載の報告。

がん悪液質におけるアナモレリンのレスポンダー(ONO-7643-04)/日本臨床腫瘍学会

 がん悪液質の国内第II相プラセボ対照比較ONO-7643-04試験における、アナモレリン奏効患者のサブ解析が、第19回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2022 )で静岡県立静岡がんセンターの内藤立暁氏により発表された。  結果、ほとんどのサブグループでアナモレリンの優越性が示された。ただし、PS不良例など一部のサブグループでの優越性の低さが示されている。 ・対象:非小細胞肺がんに関連するがん悪液質患者(n=174) ・試験薬群:アナモレリン(n=84) ・対照群:プラセボ(n=90) ・評価項目:除脂肪体重(LBM)、体重、食欲に対する奏効率、OOLなど  主な結果は以下のとおり。 ・除脂肪体重に関する全体の奏効率はアナモレリン群64.4%に対しプラセボは28.9%、オッズ比(OR)は4.41で、アナモレリン群で有意に良好であった(p<0.001)。 ・ただし、PS不良群(ECOG PS2、OR:5.00、p=0.140)と、同時併用薬なし群(OS:1.20、p=0.820)では他のサブグループと比べ低かった。 ・全体重に関する全体の奏効率はアナモレリン群65.4%、プラセボ16.7%、ORは9.46で、アナモレリン群で有意に良好であった(p

難治性慢性咳嗽へのgefapixant、第III相試験で有望な結果/Lancet

 難治性の慢性咳嗽または原因不明の慢性咳嗽に対して、gefapixant 45mgの1日2回投与は新規開発の治療法として、許容可能な安全性プロファイルと有効性を有することが示された。英国・クイーンズ大学ベルファストのLorcan P. McGarvey氏らが、2つの第III相臨床試験「COUGH-1試験・COUGH-2試験」の結果を報告した。gefapixantは経口P2X3受容体拮抗薬であり、同薬はこれまでに、難治性の慢性咳嗽または原因不明の慢性咳嗽に対する有効性と安全性が示されていた。Lancet誌2022年3月5日号掲載の報告。  COUGH-1試験とCOUGH-2試験はいずれも、第III相の二重盲検無作為化並行群プラセボ対照試験。COUGH-1試験は17ヵ国156試験地、COUGH-2試験は20ヵ国175試験地で実施された。登録被験者は、1年以上続く難治性の慢性咳嗽または原因不明の慢性咳嗽と診断された18歳以上で、スクリニーングおよびベースラインでの咳嗽重症度視覚アナログスケールスコアが40mm以上の患者とした。

肺がんCCRTのデュルバルマブ維持療法の5年解析(PACIFIC)/JCO

 Stage IIIの非小細胞肺がん(NSCLC)における化学放射線同時療法(CCRT)後のデュルバルマブ維持療法を評価した第III相PACIFIC試験の5年生存データが、Journal of Clinical Oncology誌に発表された。化学放射線同時療法後のデュルバルマブ維持療法は5年後も良好な成績を示している。 ・対象:CCRT後に進行していない切除不能Stage III NSCLC患者 ・試験群:デュルバルマブ10mg/kg、2週ごと12ヵ月(473例) ・対照群:プラセボ、2週ごと12ヵ月(236例) ・評価項目: [主要評価項目]盲検独立中央評価委員会(BICR)判定による無増悪生存期間(PFS)、OS [副次評価項目]死亡または遠隔転移までの時間、2回目の進行までの時間、安全性などCRTの1~42日後に、被験者はデュルバルマブとプラセボに2対1に無作為に割り付けられた。

がん患者でのブレークスルー感染リスクと転帰/JCO

 米国で最大のCOVID-19症例と対照の全国コホートを運営するNational COVID Cohort Collaborative Consortiumが、ワクチン接種を受けたがん患者のブレークスルー感染リスクと転帰について調査した結果が、Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2022年3月14日号で報告された。がん患者、とくに血液腫瘍患者はブレークスルー感染と重篤な転帰のリスクが高かったが、ワクチン接種患者ではブレークスルー感染リスクが著明に低下することが示唆された。

オミクロン株へのワクチン有効性、3回接種で対従来株と同等/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するmRNAワクチンは、アルファ変異株、デルタ変異株、オミクロン変異株によるCOVID-19関連入院の予防に高い有効性を示したが、オミクロン変異株に対しては、デルタ変異株やアルファ変異株に対する2回接種で得られる効果と同じ効果を得るためには、3回接種が必要であることが、米国・ミシガン大学のAdam S. Lauring氏らによる症例対照試験で示された。また、COVID-19による入院患者では、オミクロン変異株のほうがデルタ変異株より重症度が低かったものの、依然として罹患率および死亡率は高いこと、3種すべての変異株についてワクチン接種済みの患者は未接種患者と比較し重症度が有意に低いことも明らかになったという。BMJ誌2022年3月9日号掲載の報告。  研究グループは米国の21病院において、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)陽性が確認された18歳以上のCOVID-19入院患者(症例)と、同時期の非COVID-19入院患者(対照)を登録し、前向き観察研究を実施した。解析対象は、2021年3月11日~2022年1月14日の間に登録されたCOVID-19患者5,728例、対照患者5,962例の計1万1,690例であった。

オミクロン株へのブースター接種、入院・死亡への有効性は?/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のmRNAワクチンのブースター接種は、症候性デルタ変異株感染には高い有効性を示したが、症候性オミクロン変異株感染への有効性は低いことが、カタール・Weill Cornell Medicine-QatarのLaith J. Abu-Raddad氏らが同国で行ったコホート試験で示された。ただしいずれの変異株においても、mRNAワクチンのブースター接種が、COVID-19関連の入院および死亡に対する高い保護効果をもたらすことが示されたという。NEJM誌オンライン版2022年3月9日号掲載の報告。  研究グループは、2021年12月19日~2022年1月26日のオミクロン株が大流行していた期間中に、症候性SARS-CoV-2感染およびCOVID-19に関連した入院および死亡に対するワクチンブースター接種群と2回のプライマリ接種群を比較する、2つのマッチド後ろ向きコホート試験を実施した。  ブースター接種と感染の関連性を、Cox比例ハザード回帰モデルを用いて算出・評価した。

ゼロ・リスクか?ウィズ・リスクか?それが問題だ(解説:甲斐久史氏)

早いもので20年ほど前、外勤先の内科クリニックでの昼下がり。「今朝から、とくにどこというわけではないが、何となく全身がきつい」と20歳代後半の女性が来院した。熱も貧血もないのに脈拍が120前後。血圧はもともと低いそうだが収縮期血圧は80mmHg弱。心音・呼吸音に明らかな異常はないが、皮膚が何となくジトーッと冷たい気がする。聞いてみると先週、2〜3日間、風邪にかかったとのこと。心電図をとってみた。洞性頻脈。PQ延長(0.30秒くらいだったか?)。ドヨヨーンとした嫌な波形のwide QRS。どのように患者さんに説明し納得してもらったかは覚えていないが、ドクターヘリでK大学病院に搬送した。

Guardant360が固形がんの包括的ゲノムプロファイリング用リキッドバイオプシーとして承認

 ガーダントヘルスジャパンは、3月10日、固形がん患者における包括的がんゲノムプロファイリング(CGP)用リキッドバイオプシー検査 Guardant360 CDx がん遺伝子パネル(Guardant360 CDx)の医療機器プログラムとしての製造販売承認を取得したと発表。  Guardant360 CDxは、ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)固形がんおよびニボルマブ(製品名:オプジーボ)のMSI-High結腸・直腸がんのコンパニオン診断としての承認も取得している。

高齢者と基礎疾患のある成人に早期の3回目接種を

 2022年3月11日、モデルナ・ジャパン株式会社(以下モデルナ社)はメディアセミナー「この春の感染拡大を見据えた3回目追加接種の必要性~Long COVID リスク等も視野にいれて~」を開催した。  本セミナーでは、始めにモデルナ社 代表取締役社長の鈴木 蘭美氏より、コロナワクチンの開発と最新パイプラインについての説明が行われた。  コロナワクチンに関しては本年秋頃の追加接種の可能性を見込み、モデルナ社ではオミクロン株用を含む追加接種用の2価ワクチンを開発中だという。またmRNA医薬品創出技術を生かしたパイプラインについては、サイトメガロウイルス感染症ワクチン、MSD社と共同開発のがんに対するワクチン、アストラゼネカ社と共同開発の心臓発作時の損傷を防ぐ新薬など、グローバルで計44の新薬開発プロジェクトが進行している。パイプラインの中には新型コロナウイルス・インフルエンザ・RSウイルスに対する3種混合ワクチンも含まれており、2023年秋までの提供開始を目指しているという。  3回目接種と今後のワクチン開発について、鈴木氏は「できるだけ多くの方に3回目のワクチン接種を受けてもらい、免疫を備えてもらいたい。ワクチンのリーディングカンパニーとして、(今後の感染状況が)最悪の場合を想定して最善を備えたいと思っている。」と強く語った。