呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:78

5~11歳へのファイザーワクチン、オミクロン株への有効性/NEJM

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のオミクロン変異株(B.1.1.529)流行中における5~11歳へのmRNAワクチンBNT162b2(ファイザー製)の2回接種により、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による入院リスクは低下したことが、シンガポール・シンガポール大学のSharon H. X. Tan氏らによる検討で示された。2021年11月初旬に初めて確認されて以来、オミクロン変異株は多くの国で急速に拡大し、デルタ変異株(B.1.617.2)に置き換わり、優勢株となっている。これまで、小児におけるオミクロン変異株に対するワクチンの有効性に関するデータは不足していた。NEJM誌オンライン版2022年7月20日号掲載の報告。

新規抗体薬物複合体DS-7300、小細胞肺がんを対象とした第II相試験開始/第一三共

 第一三共は2022年7月21日、DS-7300(B7-H3を標的とした抗体薬物複合体[ADC])について、前治療歴のある進展型小細胞肺がん患者を対象とした第II相臨床試験の最初の患者への投与を開始したと発表。  同試験は、化学療法による前治療歴のある進展型小細胞肺がん患者を対象に、同剤の有効性と安全性を評価するグローバル第II相臨床試験である。 主要評価項目は客観的奏効率で、副次評価項目には無増悪生存期間、奏効期間、全生存期間、病勢コントロール率、薬物動態、安全性などで、アジア、欧州および北米で約80例の患者を登録する予定だという。

パクスロビド投与でCOVID-19による入院リスクが45%低減

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の特効薬とされるパクスロビド(一般名ニルマトレルビル・リトナビル、日本での商品名パキロビッド)は、COVID-19による入院リスクを45%低減できることが、査読前の論文のオンラインアーカイブである「medRxiv」に6月17日発表された。論文の筆頭著者である米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院のScott Dryden-Peterson氏は、「デルタ株の流行時に実施されたパクスロビドの臨床試験では90%の入院リスク低減が認められた。それに比べると劣るものの、同薬剤は依然として、インフルエンザに対するタミフルの効果に匹敵する防御率を維持している」と述べている。

コロナ・インフルワクチン同時接種可、オミクロン株対応ワクチン秋以降に導入へ/厚労省

 これまで新型コロナワクチンの接種は他のワクチン接種と13日以上の間隔を空けて実施することとされていたが、知見等の蓄積をふまえ、インフルエンザワクチンに関しては同時接種も可能とすることが、7月22日に開催された第33回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会で了承された。同会ではそのほか、オミクロン株対応ワクチンの接種や4回目接種の対象者拡大等についても議論された。 <同時接種の有効性> ファイザー社・アストラゼネカ社:2回目接種において、ファイザー社またはアストラゼネカ社ワクチン単独接種と比べ、新型コロナウイルス抗スパイクIgG抗体価は有意差がなかった。さらにファイザー社ワクチンとの同時接種においてインフルエンザの一部の株に対するHI抗体価の上昇がみられた。

ICI耐性の非小細胞肺がんに対するラムシルマブ+ペムブロリズマブの2次治療(Lung-MAP S1800A)/JCO

 免疫チェックポイント阻害薬(ICI)耐性となった進行非小細胞肺がん(NSCLC)に対し、ラムシルマブとペムブロリズマブの併用による2次治療が有望な成績を示した。  進行NSCLCにおけるICI耐性後の2次治療は化学療法だけであり、今もなお大きなアンメットニーズが残っている。一方、ICIとVEGF阻害薬の併用は、複数のがん種で有望な結果が得られている。ドライバー変異のないICI耐性NSCLCの2次治療に、ICIであるペムブロリズマブとVEGF阻害薬であるラムシルマブの併用を化学療法と比較したLung-MAP S1800Aが行われた。結果は米国臨床がん学会年次集会(ASCO2022)で発表され、同時にJournal of Clinical Oncology誌に掲載された。

発熱に対する解熱薬と身体冷却、死亡リスクに影響するか/BMJ

 成人発熱患者に対する治療(解熱薬、身体冷却)は、死亡や重篤な有害事象のリスクに影響しないことが、スウェーデン・ルンド大学のJohan Holgersson氏らが実施したシステマティック・レビューとメタ解析で示された。これまでの試験は特定の患者群あるいは特定の発熱治療に焦点を当てたもので、統計学的な検出力に限界があり、発熱患者における発熱治療のリスクとベネフィットは不明であった。BMJ誌2022年7月12日号掲載の報告。

若年層での3回目接種、オミクロン株流行下も感染率低下/JAMA

 若年層での新型コロナウイルスワクチンのブースター接種の有効性を検討するため、米国の医療情報コンサルティング企業のIQVIAは、全米プロバスケットボール協会(NBA)の選手およびスタッフにおいて、ブースター接種者と未接種者の感染発生率を調査した結果、オミクロン株流行期でも、ブースター接種が感染率を有意に低下させることが示された。本結果は、JAMA誌2022年6月2日号オンライン版のリサーチレターに掲載された。

腎機能障害がCOVID-19重症化に独立して関連―国内多施設共同研究

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による入院時に腎機能障害を有することが、COVID-19重症化リスクと独立して有意に関連していることが国内の研究から明らかになった。横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センター内科の佐藤亮佑氏、松澤泰志氏、同大学大学院医学研究科循環器・腎臓・高血圧内科学の田村功一氏らによる多施設共同研究の結果であり、詳細は「Clinical and Experimental Nephrology」に6月3日掲載された。  肺炎や尿路感染症などの感染症での入院時には、腎機能障害が予後に関連していることが既に知られている。ただしCOVID-19入院患者での腎機能と予後との関連は不明。松澤氏らはこの点について、国内8病院の入院患者のデータを遡及的に解析した。

mRNAワクチン後の心筋炎、予防に有効な接種間隔は?/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するmRNAワクチン接種後の心筋炎のリスクが最も高いのは、思春期および若年成人の男性であり、これらの集団ではモデルナ製よりファイザー製のワクチンを用い接種間隔は30日以上が望ましいこと、5~11歳の小児での心筋炎発症は非常に稀でエビデンスの確実性は低いことなどを、カナダ・アルバータ大学のJennifer Pillay氏らが、システマティック・レビューの結果、報告した。著者は、「mRNAワクチンに関連した心筋炎は良性と思われるが、長期追跡データは限られており、生検や組織形態学等の適切な検査を用いた前向き研究によりメカニズムの解明が進むだろう」とまとめている。BMJ誌2022年7月13日号掲載の報告。