呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

HER2変異NSCLCの1次治療、T-DXdでPFS改善(DESTINY-Lung04)/WCLC2026

 HER2遺伝子変異陽性の切除不能局所進行または転移を有する非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療では、免疫療法+プラチナ製剤併用化学療法が標準治療とされるが、十分な治療効果が得られない患者も少なくない。そこで、Julia Rotow氏(米国・ダナ・ファーバーがん研究所)らは、HER2遺伝子変異陽性NSCLCの1次治療として、HER2を標的とする抗体薬物複合体トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)単剤療法と、ペムブロリズマブ+プラチナ製剤+ペメトレキセド併用療法を比較する国際共同第III相試験「DESTINY-Lung04試験」を実施した。その結果、T-DXd単剤療法は、無増悪生存期間(PFS)を有意に改善した。本結果は、2026年9月12~15日に開催された世界肺がん学会(WCLC2026)で発表された。

今年も「ワクチン虎の穴セミナー」を開催/プライマリ・ケア連合学会

 日本では、今年も麻しん流行や肺炎球菌ワクチンのPCV20への変更など、感染症やワクチンに関係する話題が多い。また、海外ではハンタウイルス、エボラ出血熱などの再興感染症の流行も危惧されている。  こうした環境の中、「こどもとおとなのワクチンサイト」を運営する日本プライマリ・ケア連合学会 感染症委員会 ワクチンチームは、10月に医師・医療従事者向けに「ワクチン虎の穴セミナー」を開催する。

tozorakimab、喫煙歴を問わずCOPD増悪を3割抑制/NEJM

 慢性閉塞性肺疾患(COPD)において、標準的な吸入療法とtozorakimabを併用した元喫煙者集団ならびに現喫煙者も含む全体集団では、中等度または重度のCOPD増悪の年間発生率がプラセボ併用と比較して有意に低下した。米国・ピッツバーグ大学のFrank C. Sciurba氏らOBERON and TITANIA Trial Investigatorsが、同一のプロトコールにより別々の施設で実施した2つの第III相無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験「OBERON試験」および「TITANIA試験」の結果を報告した。tozorakimabはインターロイキン-33(IL-33)を標的とするモノクローナル抗体で、IL-33シグナル伝達の調節異常がCOPDの病態に関与していることが示唆されていた。NEJM誌オンライン版2026年9月8日号掲載の報告。

香り付きの清掃製品が室内空気汚染の原因に?

 掃除したばかりの部屋に漂う柑橘系や松、花の香りには、予想外のものが伴っている可能性がある。それは、目に見えない空気汚染である。新たな研究で、一般的な香り付きの製品か植物由来成分の製品かにかかわらず、清掃製品から放出される香料成分が室内の空気中のオゾンと反応してナノ粒子を形成することが示された。この粒子を吸い込むと、肺の奥深くまで到達する可能性があるという。米パデュー大学土木・建設工学分野のBrandon Boor氏らによるこの研究は、米国化学会主催の秋季国際会議(ACS Fall 2026、8月23~27日、米シカゴ)で発表された。研究グループは、曝露を減らすため、無香料の製品を選ぶことや使用中に換気扇を使うこと、洗浄中はオゾン発生装置を使用しないことを推奨している。

B7-H3標的ADC risvutatug rezetecanが再発小細胞肺がんのOS延長(ARTEMIS-008)/WCLC2026

 プラチナ製剤を含む1次治療歴を有する再発小細胞肺がん(SCLC)に対し、B7-H3標的抗体薬物複合体(ADC)のrisvutatug rezetecan(Ris-Rez)が、標準治療の1つであるトポテカンと比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある全生存期間(OS)の延長を示した。  第III相ARTEMIS-008試験の事前規定中間解析の結果が、Jie Wang氏(中国・National Cancer Center/National Clinical Research Center for Cancer/Cancer Hospital, Chinese Academy of Medical Sciences Peking Union Medical College)により、世界肺がん学会(WCLC2026)で発表された。

アミバンタマブ皮下注、ラゼルチニブ併用で4週1回投与が可能に/J&J

Johnson & Johnson(日本における医療用医薬品事業の法人名:ヤンセンファーマ)は2026年9月16日、EGFRおよびMETを標的とする二重特異性抗体アミバンタマブの皮下注製剤「リブロファズ配合皮下注」について、ラゼルチニブとの併用時に4週に1回投与する用法・用量の追加承認を取得したことを発表した。あわせて、アミバンタマブ3,520mgを含有する「リブロファズ配合皮下注22mL」の製造販売承認も取得した(従来は1,600mg、10mL)。

抗PD-1/VEGF二重特異性抗体ivonescimab、PD-L1陽性進行NSCLCのOS改善(HARMONi-2)/WCLC2026

 PD-L1陽性非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療の第III相試験の中間解析において、抗PD-1/VEGF二重特異性抗体ivonescimabは全生存期間(OS)を有意に延長した。  この結果は、世界肺がん学会(WCLC2026)で発表された第III相HARMONi-2試験の中間解析によるもの。HARMONi-2試験では未治療のPD-L1陽性進行NSCLC患者において、ファースト・イン・クラスの抗PD-1/VEGF二重特異性抗体ivonescimabが、ペムブロリズマブと比較して無増悪生存期間(PFS)の改善を示すことが実証されている1)。今回の新たな解析では、本試験の主要副次評価項目であるOSの結果が報告された。

インフルで入院しやすい人、死亡リスクが高い人の特徴~メタ解析

 インフルエンザ患者における入院および死亡に関連するリスク因子を特定することは、臨床管理および公衆衛生戦略を策定するうえで重要である。今回、中国・Shandong University School of Public HealthのYa Gao氏らは、WHOインフルエンザ臨床ガイドラインの更新を支援する目的で、季節性インフルエンザ患者における入院および全死因死亡のリスク因子を系統的レビューおよびメタ解析で検討した。その結果、非重症例の入院の主要リスク因子として、65歳以上、免疫不全、心血管疾患、神経疾患、慢性呼吸器疾患が、重症例の全死因死亡の主要リスク因子として、2次細菌感染、栄養不良、敗血症、急性腎障害、65歳以上、慢性心血管疾患、悪性腫瘍、慢性神経疾患が示唆された。Lancet Respiratory Medicine誌オンライン版2026年9月8日号に掲載。

T-DXd関連ILD、日本人の胃がん・乳がん患者で死亡例に多い所見は?

トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)に関連する間質性肺疾患(ILD)/肺臓炎は、治療継続や生命予後に関わる重要な有害事象である。そこで、愛知県がんセンター呼吸器内科の藤原 豊氏らは、日本人の乳がんおよび胃がん患者を対象とした市販後全例調査のデータを用いて、独立したILD判定委員会により判定されたT-DXd関連ILDの臨床的・画像的特徴を検討した。その結果、多くは軽度~中等度で副腎皮質ステロイドに反応した一方、びまん性肺胞傷害(DAD)パターンは死亡例に多くみられた。本研究結果は、The Oncologist誌オンライン版2026年9月7日号に掲載された。

喫煙者の多くはタバコが心臓や脳に及ぼすリスクを認識していない

 タバコのリスクに関する過去数十年にわたる啓発活動にもかかわらず、多くの喫煙者が喫煙や受動喫煙が心臓発作や脳卒中を引き起こすという事実をまだ十分認識していないことが、46カ国で行われた調査から明らかになった。ウォータールー大学(カナダ)と米疾病対策センター(CDC)タバコ規制プログラムの研究者による研究の結果であり、同大学のJanet Chung-Hall氏らによる論文が、「BMJ Open」に8月4日付で掲載された。  この研究では、2002~2022年の国際タバコ規制プロジェクト(ITC)と、2008~2020年の世界成人タバコ調査(GATS)のデータを用い、46カ国の18歳以上の喫煙者において、喫煙と受動喫煙が肺がんや心血管疾患(CVD)の原因になるという認識が、過去約20年間でどのように変化してきたかが解析された。