呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

既治療EGFR変異NSCLCにおけるsacituzumab tirumotecanのOS最終結果(OptiTROP-Lung03)/ELCC2026

 既治療のEGFR陽性非小細胞肺がん(NSCLC)においてsacituzumab tirumotecan(sac-TMT)が持続した全生存期間(OS)の改善を示した。  sac-TMTはTROP2を標的とした抗体薬物複合体(ADC)である。独自のリンカーでトポイソメラーゼI阻害薬belotecanの腫瘍細胞への送達を最大化する。すでに第II相OptiTROP-Lung03試験で、既治療のEGFR陽性NSCLCに対する有意な無増悪生存期間(PFS)およびOSの改善が報告されている。欧州肺がん学会(ELCC2026)では、中国・中山大学がんセンターのYunpeng Yang氏がOptiTROP-Lung03試験の最終OS解析を紹介した。

高齢者機能評価+コミュニケーション支援が高齢がん治療の安全性を改善/日本臨床腫瘍学会

 Webアプリを活用した高齢者機能評価(GA)に基づくマネジメントとコミュニケーション支援を組み合わせたプログラムが、高齢がん患者の健康アウトカムを改善した。  同プログラムの有効性を評価する多施設共同無作為化比較試験について、国立がん研究センターがん対策研究所の松岡 歩氏が第23回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2026)で発表した(2025年米国臨床腫瘍学会・発表演題の再報告)。  高齢がん患者では、栄養状態の低下、抑うつ、社会的孤立、身体機能低下といった加齢に伴う問題が、治療の安全性に大きく影響する。この問題は診療現場で十分に把握・共有されないまま治療が開始されることが多い。

感染症の届け出基準を一部改正、多剤耐性緑膿菌感染症を全数把握へ/厚労省

 厚生労働省は、感染症法に基づく対象の感染症の届け出について、「医師及び指定届出機関の管理者が都道府県知事に届け出る基準」を一部改正し、これまで定点把握の対象であった「薬剤耐性緑膿菌感染症」を全数把握の対象とし、名称を「多剤耐性緑膿菌感染症」と変更した。また、同感染症の届出のために必要な検査所見などについて、判定基準値が一部変更された。同改正は令和8年4月6日より適用されている。  「医師及び指定届出機関の管理者が都道府県知事に届け出る基準」第6について、下記のとおり改正する。

肺がんのICIの投与のベストタイミングは午前か午後か(i-TIMES)/ELCC2026

 非小細胞肺がん(NSCLC)および小細胞肺がん(SCLC)における免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の投与タイミングについてスイス・ローザンヌ大学のSolange Peters氏が欧州肺がん学会(ELCC2026)で発表。午後投与は午前投与に対する非劣性を示した。  ICIの治療効果に、概日リズム(サーカディアンリズム)が与える影響については、長年議論されてきた。近年、ICIの抗腫瘍効果について、遅時間帯投与に比べ早時間帯投与で 臨床結果 が改善するという研究が、後ろ向き研究やメタアナリシスで示されている。

KRAS p.G12D変異あり既治療進行固形がん、setidegrasibの安全性確認/NEJM

 KRAS p.G12D変異を有する既治療進行非小細胞肺がん(NSCLC)および膵管腺がん(PDAC)の患者において、開発中のsetidegrasib(KRAS G12D変異体を標的とするファーストインクラスの標的タンパク質分解誘導薬)は抗腫瘍活性を示し、治療中止に至った有害事象の発現は低頻度であったことが、米国・Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのWungki Park氏らによる、第I相試験の結果で報告された。KRAS p.G12D変異は、NSCLC患者の5%にみられる。PDAC患者では40%にみられ、最も頻度の高い変異型であるが、KRAS p.G12D変異を標的とする承認薬は現状では存在していない。NEJM誌オンライン版2026年3月25日号掲載の報告。

EGFR変異陽性NSCLC、オシメルチニブに局所療法を追加すべき患者は?(NorthStar)/ELCC2026

EGFR遺伝子変異陽性の局所進行または転移を有する非小細胞肺がん(NSCLC)において、局所地固め療法(LCT)の有効性や、LCTのベネフィットを受ける集団は、十分に検討されていない。そこで、未治療のEGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者を対象に、導入療法後のオシメルチニブ+LCTの有用性を検討する海外第II相無作為化比較試験「NorthStar試験」が実施されている。本試験の1次解析では、LCTの追加により主要評価項目の無増悪生存期間(PFS)が改善したことが示された。また2次解析の結果、導入療法後のリンパ節転移の消失や胸水の消失が、LCTの有効性の予測因子となる可能性が示された。欧州肺がん学会(ELCC2026)において、Saumil N. Gandhi氏(米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンター)が本試験の2次解析の結果を報告した。

早期肺がん肺葉切除、VATS vs.開胸/Lancet

 英国・ブリストル大学のRosie A. Harris氏らは、早期非小細胞がん(NSCLC)患者の治療において、ビデオ補助胸腔鏡手術(VATS)による肺葉切除術は開胸手術と比較して、無病生存(DFS)を損なわずに全生存(OS)を改善するとのエビデンスをメタ解析の結果で示した。VATSは、現在、早期肺がんにおける肺葉切除術の最も一般的な術式であるが、生存率の検証において十分な検出力を持つ単一の試験が存在せず、開胸手術との腫瘍学的同等性は依然として仮説の域を出ないとされている。Lancet誌2026年3月21日号掲載の報告。

EGFR変異NSCLC、アミバンタマブ+ラゼルチニブがアジア人でもOS良好(MARIPOSA)/日本臨床腫瘍学会

EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療として、アミバンタマブ+ラゼルチニブは、国際共同第III相無作為化比較試験「MARIPOSA試験」において、無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)を改善することが示されている1)。第23回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2026)において、本試験のアジア人集団におけるOSなどのアップデート解析結果が、林 秀敏氏(近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門 主任教授)により発表され、アミバンタマブ+ラゼルチニブは、アジア人集団においてもオシメルチニブ単剤と比較してOSが良好であることが示された。なお本演題は、欧州臨床腫瘍学会アジア大会(ESMO Asia2025)のアンコール演題であったが、日本人集団のpost-hoc解析結果が追加された。

抗コリン薬の使用は心血管イベントリスクの上昇と関連

 抗コリン薬と呼ばれる一般的な薬剤の使用が、心不全などの重篤な心血管疾患のリスク上昇と関連する可能性が新たな研究で示された。抗コリン薬を最も多く使用していた人では、非使用者と比べて心血管イベントリスクが71%高かったという。カロリンスカ研究所(スウェーデン)のHong Xu氏らによるこの研究の詳細は、「BMC Medicine」に2月28日掲載された。ただし、本研究は観察研究であり、抗コリン薬が心疾患を直接引き起こすことを証明したものではない。  抗コリン薬は、神経伝達物質のアセチルコリンの働きを抑える薬剤で、睡眠補助薬や抗ヒスタミン薬、尿失禁治療薬、一部の抗うつ薬などさまざまな処方薬や市販薬に含まれている。

EGFR変異NSCLC、オシメルチニブ+化学療法の日本人解析結果(FLAURA2)/日本臨床腫瘍学会

 EGFR遺伝子変異陽性の進行・転移非小細胞肺がん(NSCLC)に対する1次治療として、オシメルチニブ+化学療法はオシメルチニブ単剤と比較して、日本人集団においても無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)が良好であった。第23回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2026)において、国際共同第III相無作為化比較試験「FLAURA2試験」の日本人集団の結果を柳谷 典子氏(がん研究会有明病院)が報告した。日本人集団のOSの解析結果は、2025年11月に開催された第66回日本肺癌学会学術集会でも報告されていたが、今回はさらに詳細な結果が報告された。