耳鼻咽喉科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:16

ペムブロリズマブ、単剤と化療併用で頭頸部扁平上皮がん1次治療のOS改善(KEYNOTE-048)/ESMO2018

 再発または転移性の頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)治療では、プラチナ製剤による化学療法後の2次治療として、抗PD-1抗体ペムブロリズマブ、ニボルマブの有効性が確認されており、本邦ではニボルマブが2017年3月に適応を取得している。ドイツ・ミュンヘンで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)で、HNSCCの1次治療におけるペムブロリズマブ単剤および、化学療法との併用療法が、抗EGFR抗体セツキシマブと化学療法の併用療法と比較して全生存期間(OS)を改善することが明らかになった。イェールがんセンターのBarbara Burtness氏が発表した第III相KEYNOTE-048試験の中間解析結果より。

「かぜには抗菌薬が効く」と認識する患者が約半数、どう対応すべきか

 一般市民対象の抗菌薬に関する意識調査の結果、約半数が「かぜやインフルエンザなどのウイルス性疾患に対して抗菌薬が効く」と誤った認識をしていることが明らかになった。 AMR臨床リファレンスセンターは10月30日、「抗菌薬意識調査2018」の結果を公表し、「薬剤耐性(AMR)対策の現状と取り組み 2018」と題したメディアセミナーを開催した。セミナーでは大曲 貴夫氏(国立国際医療研究センター病院 副院長/国際感染症センター長/AMR臨床リファレンスセンター長)、具 芳明氏(AMR臨床リファレンスセンター 情報‐教育支援室長)らが登壇し、意識調査結果や抗菌薬使用の現状などについて講演した。

免疫CP阻害薬、心血管障害スクリーニングの結果/腫瘍循環器学会

 免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の免疫関連有害事象(irAE)としての心血管障害は、報告数は少ないものの、発症すると重篤化する。しかし、真の発生頻度や種類、発生時期については明らかになっていない。国際医療福祉大学三田病院の古川 明日香氏らは、腫瘍循環器学会において、同院の腫瘍循環器外来におけるICI使用時における心血管障害イベントのスクリーニングの意義について発表した。  スクリーニングの検証は、Active Screening Protocolを作成して行われた。このProtocolは、ICI投与開始前に腫瘍循環器外来を予約。ベースライン(投与開始前)、開始後定期的に、血液学的検査(CK、CK-MB、トロポニンI、BNP、D-dimerなど)、心電図、胸部レントゲン、心エコー検査のフォローアップを行うというもの。

MSI-H固形がんへのペムブロリズマブ、日本人サブ解析結果(KEYNOTE-158)/癌治療学会

 マイクロサテライト不安定性の高い(MSI-H)固形がんの日本人症例に対するペムブロリズマブの有用性が示された。MSI-H固形がん(大腸がん以外)を対象としたペムブロリズマブの第II相試験(KEYNOTE-158)における日本人7例でのサブグループ解析結果について、近畿大学の中川 和彦氏が10月18~20日に横浜市で開催された第56回日本癌治療学会学術集会で発表した。  本試験は、大腸がん以外の転移のあるもしくは切除不能のMSI-H固形がんが対象。進行もしくは標準的な1次治療に不耐容、かつECOG PS 0~1の患者がエントリーされた。ペムブロリズマブ200mgを3週ごとに最大2年間投与した。最初の1年間は9週ごとに、それ以降は12週ごとに画像診断を実施した。主要評価項目は奏効率(ORR)、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、奏効期間(DOR)、全生存期間(OS)、安全性であった。

外来での高齢者に対する抗菌薬処方(解説:吉田敦氏)-907

高齢者において、抗菌薬の処方が過剰となり、それが薬剤耐性(AMR)に結びついているという指摘は以前から存在した。米国においても、抗菌薬適正使用およびAMRへの取り組みから抗菌薬の総使用量は減少し始めていたが、高齢者における使用量の変化については不明な部分が多かった。今回、高齢者の98%が加入可能な公的保険である米国メディケアにおいて、高齢者の外来での抗菌薬処方と、各診断名に対して適切な抗菌薬が使用されていたかどうかを観察研究として調査した。

滲出性中耳炎の難聴、経口ステロイドは有効か?/Lancet

 滲出性中耳炎で3ヵ月以上の難聴が確認された小児について、経口ステロイド薬の有効性を調べた初となる二重盲検プラセボ対照無作為化試験「OSTRICH試験」の結果、忍容性は良好だったが有意な改善効果は示されず、自然治癒率が高いことが明らかにされた。英国・カーディフ大学のNick A. Francis氏らによる検討で、「今回の結果は、経過観察やその他の外科的介入を支持するエビデンスとなった」と述べている。滲出性中耳炎による持続的な難聴に対しては、薬物療法の有効性は否定されており、概して外科的介入による治療が行われるが、治療選択肢に安全・安価で有効な薬物療法が加わることへの期待は高い。研究グループは、Cochraneレビューで見つけた、経口ステロイド薬の短期投与の有益性を示唆した試験結果(ただし検出力が低く、質的に低い)について、大規模試験で検証を行った。Lancet誌2018年8月18日号掲載の報告。

米国の高齢者、抗菌薬使用の最新動向は/BMJ

 米国の高齢外来患者では、近年、抗菌薬の全体的な使用およびその不適正使用にはほぼ変化がないか、わずかに減少しており、個々の薬剤使用の変化にはばらつきがみられるものの、これはガイドラインの変更とは一致しないことが、米国・ハーバード大学T.H. Chan公衆衛生大学院のScott W. Olesen氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2018年7月27日号に掲載された。米国では抗菌薬の不適正使用が拡大しており、抗菌薬使用は高齢になるほど多くなる。高所得国では、抗菌薬はほぼ安定的に使用されているが、米国では近年、下降している可能性が示唆されている。

遺伝性血管性浮腫の発作予防、新規血漿カリクレイン阻害薬が有望/NEJM

 開発中の経口血漿カリクレイン阻害薬BCX7353は、プラセボに比べて遺伝性血管性浮腫の発作の発生率が低く、良好な予防効果を発揮することが、ドイツ・フランクフルト大学のEmel Aygoren-Pursun氏らが行ったAPeX-1試験で示された。研究の成果は、NEJM誌2018年7月26日号に掲載された。遺伝性血管性浮腫は、生命を脅かす疾患であり、カリクレイン-ブラジキニンカスケードの過剰な活性化をもたらすC1インヒビター(C1エステラーゼインヒビターとも呼ばれる)をコードする遺伝子変異により発症する。BCX7353は、血漿カリクレインの強力な経口小分子阻害薬で、血管性浮腫の発作の予防に有効な可能性を示す薬物動態および薬力学プロファイルを有するという。