日本人でも喫煙により寿命が○年縮まる

提供元:ケアネット

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公開日:2012/11/15

 

 これまでに、日本では「喫煙関連ハザードの低さ」が報告されたことがある。しかし、今回、日本人も他国と同様、若いうちから喫煙を始めて、継続している人は寿命が10年程度縮まることが明らかになった。また本研究では、35歳より前に禁煙することで、多くのリスク上昇を回避できることも報告された。放射線影響研究所 坂田 律氏らが前向きコホート研究の結果、BMJ 誌2012年10月25日付で報告した。

 対象は、1963~1992年の間に喫煙習慣に関するデータが得られた男性2万7,311人、女性4万662人。喫煙状態について確認した翌年から2008年1月1日までの期間における、非喫煙群、喫煙歴あり(現在非喫煙)群、喫煙継続群での全死亡率を主要アウトカムとした。

 主な結果は以下のとおり。

・喫煙者は、年齢が低下するほど、1日あたりの喫煙本数が多く、喫煙を始めた年齢が低くなる傾向が認められた。
・1920~45年(中央値1933年)の間に出生し、20歳より前から喫煙を続けていた喫煙者は、男性が平均23本/日、女性が平均17本/日のタバコを吸っていた。
・1920~45年(中央値1933年)に出生し、20歳より前から喫煙を続けている喫煙者における全死亡率は、非喫煙群と比較して男性が2.21倍(95%CI:1.97~2.48)、女性が2.61倍(95%CI:1.98~3.44)であった。また、平均寿命は非喫煙群と比較して、約10年(男性8年、女性10年)短かった。
・35歳より前に禁煙した群は、喫煙継続による死亡リスク上昇のほぼ全てを回避できた。
・45歳より前に禁煙した群は、喫煙継続による死亡リスク上昇の多くを回避できた。

(ケアネット 武田真貴子)