妊娠可能年齢のてんかん女性にはレベチラセタム単独療法がより安全?

提供元:ケアネット

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公開日:2013/02/11

 

 アイルランド・Royal Victoria HospitalのEllen Mawhinney氏らが、被験者670例を対象とした調査研究を行い、妊娠中のレベチラセタム単独療法は、重大先天奇形(MCM)に対するリスクは低いことを報告した。先行研究でも低リスクが示されていたが、小規模試験での報告であった。Neurology誌2013年1月22日号(オンライン版2013年1月9日号)の掲載報告。

 調査は、英国とアイルランドで被験者が登録された前向き観察レジストリ追跡研究「UK and Ireland Epilepsy and Pregnancy Registers」のデータを解析して行われた。同研究は、妊娠中に服用したすべての抗てんかん薬の安全性について相対的な評価を行うことを目的としたものであった。研究グループは、2000年10月~2011年8月に、レベチラセタムを妊娠第1期に服用した被験者について検証した。

 主な結果は以下のとおり。

・アウトカムデータが入手できたのは671例であった。304例はレベチラセタム単独療法を、367例はその他1種類以上の抗てんかん薬との併用療法を受けていた。
・MCMは、単独療法群では2例の報告であった(0.70%、95%CI:0.19~2.51)。
・一方、併用療法群では19例が報告された(6.47%、95%CI:4.31~9.60)。
・併用療法群のMCM発生は、抗てんかん薬の組み合わせによって異なった。+ラモトリギン(1.77%、95%CI:0.49~6.22)が、+バルプロ酸(6.90%、95%CI:1.91~21.96)や、+カルバマゼピン(9.38%、95%CI:4.37~18.98)よりも低率であった。
・以上の結果から、MCMのリスクは、レベチラセタムを併用療法で用いた場合に高まることが示唆された。
・特定の組み合わせのリスクについてはさらなる検証が必要である。
・MCMに関してレベチラセタムの単独療法は、てんかんを持つ妊娠可能年齢の女性にとって、バルプロ酸よりも安全な選択肢とみなすことができる。

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(ケアネット)