冠動脈開存仮説の治療戦略は薬物療法単独群に軍配:OAT試験

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心筋梗塞患者の臨床転帰を改善するとされる冠動脈開存仮説の治療戦略に関するQOLおよび費用対効果について、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)+ステント留置での実施と、薬物療法単独実施との比較を行ったOAT(Occluded Artery Trial)の試験結果が、NEJM誌2009年2月19日号に掲載された。報告者の米国デューク大学メディカルセンターのDaniel B Mark氏らによると、薬物療法に軍配が上がったという。

質調整生存期間は薬物療法群のほうが長い




試験は、心筋梗塞発症後3~28日で、梗塞責任血管が完全閉塞(TIMI grade 0~1)した安定症例で高リスク(EF<50%、近位閉塞)の患者2,166例を、PCI+ステント留置群と、薬物療法群に無作為に割り付けられ比較が行われた。対象のうち試験適格患者は44%(951例)。これら患者について、(1)Duke Activity Status Index(DASI、心臓に関連した身体機能を0~58段階で評価、スコアが高いほど良好)、(2)36項目からなる健康調査票のメンタルヘルスを評価する5項目、の2つを主要評価項目としてQOL評価が、基線時、4ヵ月時点、12ヵ月時点、24ヵ月時点で実施された。費用対効果については、対象者のうち米国から参加登録された患者458例の治療費を元に、2年分について推定評価が行われた。

その結果、4ヵ月時点では、PCI+ステント留置群が薬物療法群に比べてDASIスコアが3.4ポイント高く、わずかな有益性が示されていた(P=0.007)が、それ以後1年時点、2年時点では、両群のポイント差は縮小し、PCI+ステント留置群の有益性は認められなかった。メンタルヘルスでの有意差は、試験期間を通して両群間に認められなかった。

費用対効果については、2年間の累積治療費はPCI+ステント留置群のほうが約7,000ドル高く(P<0.001)、質的に調整した生存期間は薬物療法群のほうがわずかではあるが長かった。

(武藤まき:医療ライター)

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