重症の足首捻挫には膝下キャストを

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重症の足首捻挫に対する機械的な支持法では、膝下キャストの効果が最も優れることが、イギリスWarwick大学のS E Lamb氏らが実施した無作為化試験で明らかとなった。イギリスでは救急診療部の受診件数の3~5%を重症足首捻挫が占め、年間約100~150万例にのぼる。最も多いのは外側靱帯の捻挫だという。Lancet誌2009年2月14日号掲載の報告。

管状圧迫包帯と3つの機械的支持法の効果を比較




研究グループは、重症足首捻挫の治療法として2層性管状圧迫包帯と3つの機械的支持法(Aircastブレース、Bledsoeブーツ、膝下キャスト)の有効性を盲検下に評価する多施設共同無作為化試験を行った。
 
2003年4月~2005年7月までに、イギリスの8つの救急診療部から重症足首捻挫患者584例が登録され、管状圧迫包帯群に144例、Aircastブレース群に149例、Bledsoeブーツ群に149例、膝下キャスト群に142例が割り付けられた。

患者は、訓練を受けた医療従事者により受診から3日以内に機械的支持法を施行され、腫脹および疼痛の軽減に関する助言を受けた。1、3、9ヵ月後にFoot and Ankle Score(FAOS)による評価を行い、主要評価項目は3ヵ月後のFAOSによる足首機能とした。


膝下キャストが最も優れ、管状圧迫包帯が最も劣る




管状圧迫包帯で治療された患者に比べ、膝下キャストを装着された患者の回復がより迅速であった。膝下キャストは、管状圧迫包帯よりも3ヵ月後の足首機能が優れており(FAOSで9%の差)、さらに疼痛、症状、活動性も良好であった。

Aircastブレースは、管状圧迫包帯よりも3ヵ月後の足首機能が優れていた(FAOSで8%の差)が、疼痛、症状、活動性にはほとんど差がなかった。Bledsoeブーツには管状圧迫包帯を超えるベネフィットはなかったが、全体として管状圧迫包帯の効果が最も低かった。

9ヵ月後には、管状圧迫包帯と3つの機械的保護法の間に有意な差はなくなった。副作用はまれであり、治療法間の明らかな差は認めなかった(全群で、蜂巣炎2例、肺塞栓2例、深部静脈血栓3例)。

著者は、「膝下キャストあるいはAircastブレースによる短期的な固定法は、管状圧迫包帯よりも回復が迅速であった。ベネフィットの幅の広さを考慮すると、膝下キャストが推奨される」と結論している。

(菅野守:医学ライター)

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