COPD治療薬チオトロピウムの長期臨床試験報告

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慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬チオトロピウムが、COPD患者の複数のエンドポイントを改善することは先行研究で示されているが、吸入用抗コリン薬を除くすべての呼吸器疾患の薬物治療を許されたプラセボ群を対照に、チオトロピウム治療の4年間にわたる長期的な効果を検証していた米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部のDonald P. Tashkin氏らが主要な治療指標であるFEV1低下率や肺機能、QOL、増悪について報告を行った。NEJM誌2008年10月9日号(オンライン版2008年10月5日号)より。

患者5,993例を4年間にわたり無作為化二重盲検プラセボ対照試験




UPLIFT試験(Understanding Potential Long-Term Impacts on Function with Tiotropium)は無作為化二重盲検プラセボ対照試験で、吸入用抗コリン薬を除くすべての呼吸器疾患の薬物治療を許されたCOPD患者を対象に、チオトロピウムまたはプラセボに割り付け4年にわたって投与し比較された。

対照患者は日本を含む37ヵ国から登録された、40歳以上、気管支拡張薬投与後のFEV1は70%以下、FVCに対するFEV1の比率は70%以下等の条件を満たした5,993例。

主要エンドポイントは、試験開始30日時点で測定した気管支拡張薬投与前後のFEV1平均低下率。副次エンドポイントは、FVC測定値、QOL評価表のSGRQ(St. George's Respiratory Questionnaire)に対する回答の変化、COPDの増悪と死亡率を含めた。

FEV1低下率、肺機能、QOLの改善効果は?




対象患者5,993例(平均年齢65±8歳)は、気管支拡張薬投与後の平均FEV1が1.32±0.44 L(予測値の48%)で、このうち2,987例をチオトロピウム群、3,006例をプラセボ群に無作為に割り付けた。

FEV1の絶対改善平均値は試験期間を通じて、チオトロピウム群のほうがプラセボ群より維持された(気管支拡張薬投与前87~103 mL、気管支拡張薬投与後47~65 mL、P<0.001)。気管支拡張薬投与30日時点から試験終了時までのFEV1の平均低下率には、両群間に有意差はなかった。

SGRQの絶対総スコアの平均値は、4年間の試験期間中の各時点で、チオトロピウム群のほうがプラセボ群より上回っていた(範囲:2.3~3.3単位、P<0.001)。チオトロピウム治療は、30日時点、4年時点とも、COPDの増悪、それによる入院、呼吸不全のリスク低下と関連が認められた。

また、安全性について、心疾患や脳卒中のイベント発症率に関しては両群に差は認められなかった。

(武藤まき:医療ライター)

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