ビタミンBはアルツハイマー病の認知低下抑制の効果なし

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ビタミンBはアルツハイマー病の認知低下抑制の効果なしのイメージ



アルツハイマー病(AD)ではホモシステインの血中濃度が高まり、高ホモシステイン血症が血管や神経に毒性に作用し発病に至る可能性がある。しかしホモシステイン濃度は、葉酸とビタミンB6、B12の高用量サプリメント投与で低下させることができる。このため、アメリカ・アルツハイマー病協同研究グループ(Alzheimer Disease Cooperative Study Group)のPaul S. Aisen氏(カリフォルニア大学サン・ディエゴ校)らは、AD治療におけるビタミンB群サプリメントの有効性と安全性を検証していたが、「認知機能の低下を遅らせる効果はない」と報告した。JAMA誌2008年10月15日号より。

中軽度AD 患者409例を18ヵ月間試験し効果を比較




本研究は2003年2月20日~2006年12月15日にかけて、全米で行われた多施設共同無作為化二重盲検臨床試験で、AD患者601例をスクリーニングし、認知機能検査(MMSE)スコアが14~26の中程度から軽度の409例を、全体の60%は高用量サプリメント処方群(葉酸塩を5mg/d、ビタミンB6を25mg/d、ビタミンB12を1mg/d)、残る40%はプラセボ処方群に無作為に割り付けた。投与期間は18ヵ月。

主要評価項目は、アルツハイマー病評価尺度(ADAS-cog)の認知サブスケールの変化とした。

ホモシステイン濃度は低下するが認知機能は改善せず




試験を完了できたのは合計340例(高用量処方群202例とプラセボ群138例)だった。

ビタミンB群のサプリメント投与はホモシステイン濃度の低下に効果的[平均値(SD)比較:高用量処方群-2.42(3.35) vs. プラセボ群-0.86(2.59)、P<0.001]だったにもかかわらず、主要な認知尺度である18ヵ月後のADAS-cogスコアの変化率には、何の有益効果も認められなかった。高用量処方群:0.401ポイント/月 vs. プラセボ群:0.372ポイント/月(P=0.52、比率差の95%信頼区間:-0.060~0.12、intention-to-treat解析の一般化方程式モデルに基づく)。

副次的尺度にも、いかなる効果も認められなかった。うつ病を含む有害事象は、ビタミン・サプリメント処方群で、より多く観察された。

これら結果からAisen氏は「高用量ビタミンB群サプリメントの処方計画は、中程度から軽度のアルツハイマー病の認知機能低下を遅らせる効果はない」と結論付けている。

(朝田哲明:医療ライター)

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