前期破水妊婦に対する抗生物質投与は子どもへの影響はない:ORACLE Children I試験

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前期破水妊婦に対する抗生物質の投与は、その子どもの7歳時の健康にはほとんど影響を及ぼさないことが、イギリスLeicester大学生殖科学のS Kenyon氏らが実施したORACLE Children I試験で明らかとなった。ORACLE試験は妊婦への抗生物質投与が早産児に及ぼす影響を検討するもの。早産児は脳性麻痺など重大な障害のリスクが高く、妊娠期間が短くなるほどリスクは増大する。障害のない早産児でも、後年、多くが行動障害や学習困難をきたすという。Lancet誌2008年10月11日号(オンライン版2008年9月17日号)掲載の報告。

ORACLE I試験を終了した妊婦の子どもを7年間フォローアップ




ORACLE I試験は、臨床的に顕性感染の徴候がない前期破水妊婦において、エリスロマイシン、アモキシシリン-クラブラン酸カリウム複合薬(co-amoxiclav)、両薬剤の併用、プラセボの4群の有用性の比較を目的に実施された。今回は、ORACLE Children I試験として、ORACLE I試験を終了した4,148例の女性の子どもが7歳となった時点における健康状態について評価した。フォローアップ対象の選択には、子どもの健康状態に関する両親への質問票を用いた。mark III Multi-Attribute Health Status分類に基づいて、機能障害を重篤、中等度、軽度に分けた。学習能力は、イギリス在住の子どもを対象とした全国的なカリキュラムテストの結果で評価した。

機能障害、行動障害、学習困難に有意な差はない




選択基準を満たした小児は3,298人(75%)であった。エリスロマイシンを含む群の妊婦の子どもにおける機能障害の頻度(38.3%、594/1,551例)は、エリスロマイシン非投与群の頻度(40.4%、655/1,620例)と有意な差は見られなかった(オッズ比:0.91、95%信頼区間:0.79~1.05)。

co-amoxiclavを含む群の小児における機能障害の頻度(40.6%、645/1,587例)は、co-amoxiclav非投与群の頻度(38.1%、604/1,584例)と有意差を認めなかった(オッズ比:1.11、95%信頼区間:0.96~1.28)。

特定の薬剤投与状況が行動障害のレベルに有意な影響を及ぼすことはなかった。また、読み書き、算数について一定のレベルを達成した小児の割合にも有意な差は見られなかった。

研究グループは、「前期破水妊婦に対する抗生物質の投与は、その子どもの7歳時の健康にはほとんど影響を及ぼさない」と結論している。また、早期自然陣痛妊婦の子どもを対象としたORACLE Children II試験の結果を踏まえたうえで、「前期破水妊婦における感染の意義、および周産期における抗生物質の役割やより広範な効果に関する理解をいっそう深める必要がある」と指摘している。

(菅野守:医学ライター)

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