英国小児救急トリアージシステムの妥当性

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ケアネット

英国小児救急トリアージシステムの妥当性のイメージ

小児救急医療システム導入を検討するため、英国の「マンチェスター・トリアージシステム」が有効に機能しているかを検証していたオランダ・エラスムス大学ソフィア小児病院のM van Veen氏らは、同システムについて「妥当性は中等度」とする報告を寄せた。BMJ誌2008年9月22日号より。

16歳未満の症例1万7,600例を前向き観察研究




2006~2007年にかけて、オランダ国内の大学病院および教育病院(teaching hospital)の救急治療部を訪れた16歳未満の小児1万7,600例(大学病院13ヵ月間、教育病院7ヵ月間に救急治療部を訪れた小児)を対象に行われた前向き観察研究。

対象児1万7,600例のうち1万6,735例(95%)は、看護師がコンピュータ化された「マンチェスター・トリアージシステム」を用いトリアージされた。同システムには、患者を選別するための緊急度を評価するフローチャートが組み込まれている。

また対象児のうち看護師の判断で1,714例(10%)の小児は緊急度が変更され、1,467例(9%)の小児に関するデータは不完全で利用できず、データ解析は1万3,554例を対象に行われた。

主要転帰尺度は、5段階の緊急度について、マンチェスター・トリアージシステムでの判定結果と、標準試料(事前に定義され独立した)との比較。この標準試料は、バイタルサイン、生命に関わる可能性、診断情報、治療介入、追跡調査情報から構成される。年齢、フローチャート使用の識別に基づくサブグループの高度な緊急性(差し迫って非常に緊急である状態)について、感受性・特異性・確度(95%信頼区間)が評価された。

妥当性は中程度、医学的問題・0~3ヵ歳時選別にやや難あり




マンチェスター・トリアージシステムと標準試料とで緊急度が一致したのは、1万3,554例のうち4,582例(34%)だった。安全面の誤差として、レベル判定が過度であったのは7,311例(54%)、過小だったのは1,661(12%)で非常に多かった。

確度は、高緊急度については3.0(95%信頼区間:2.8~3.2)、低緊急度については0.5(0.4~0.5)で、「医学的問題」を呈するケース vs. 「外傷」を呈するケースでは前者のほうがより低く[2.3(2.2~2.5) vs. 12.0(7.8~18.0)]、「0~3ヵ歳時」 vs. 「8~16歳時」の比較では「より幼い小児」のほうが低かった[2.4(1.9~2.9) vs. 5.4(4.5~6.5)]。

これら結果からVeen氏は、「マンチェスター・トリアージシステムの妥当性は中程度である。医学的問題を有する0~3ヵ歳時のトリアージに関しては難がある」ことが明らかになったと結論している。

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